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第二回清張マニア認定試験
狂気級(第1回) 解答

ページの最後

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狂気級(30問)(試験時間60分)

問題
問 1 ●松本清張の家族構成は、3男1女であるが、次の記述のうち、正しい記述はどれか。


1.妻直子・長女淑子・長男陽一・次男昭・三男隆晴

2.妻直子・長女淑子・長男陽一・次男昭次・三男隆晴

3.妻尚子・長女昭子・長男陽造・次男昭次・三男隆晴

4.妻尚子・長女昭子・長男陽一・次男昭・三男隆

5.妻直子・長女淑子・長男陽造・次男昭次・三男隆三


正解 (正解は1)直子(ナヲ)1936年11月結婚
 (長女)淑子1938年1月誕生
 (長男)陽一1940年3月誕生
 (次男)昭  1942年6月誕生
 (三男)隆晴1946年7月誕生


注)妻の名は『松本清張全集38』・『松本清張事典』の年譜には、「直子」となっているが
  『松本清張の残像』(藤井康栄著)の年譜には、「ナヲ」となっている。(2008年1月1日現在確認はしていない
BB
問 2 ●1968年の出来事である。(松本清張の残像/年譜より)以下の記述で間違っている記述はどれか。


1.1月、キューバ政府主催の、「世界文化会議」に出席のため、前年大晦日に出国し、キューバに行く。

2.キューバ旅行中に、ベトナム民主共和国対外文化連絡委員会から招待状がとどき、
  2月25日、北ベトナム各地の視察旅行に出発する。

3.4月4日、アメリカへ取材旅行。エドガー・スノウと対談する。

4.7月1日、十二指腸穿孔に腹膜炎を併発し、東京女子医大病院に四十日間入院する。

5.10月17日、オランダ、ベルギー、イギリスへ取材旅行に出発し、11月5日帰国。


正解 (正解は3)そんな事実はない/エドガー・スノーとの対談は来日の時である。 B
問 3 ●松本清張は、日本推理作家協会理事長に就任し四期八年間つとめたが、
  その時期の正しい記述はどれか。


1.1963年〜1971年

2.1964年〜1972年

3.1965年〜1973年

4.1966年〜1974年

5.1967年〜1975年


正解 (正解は1)1963年〜1971年「日本推理作家協会」理事長を務める。
問 4 ●松本清張の略歴で以下の記述で間違った記述はどれか。


1.1953年(昭和28年)昭和27年度下半期の第28回芥川賞受賞が決定した。

2.1959年(昭和34年)7月「小説帝銀事件」により第十六回
  (昭和34年上半期)の文藝春秋読者賞を受賞

3.1963年8月、「日本の黒い霧」「深層海流」「現代官僚論」など

  の業績により、第五回日本ジャーナリスト会議賞を受ける。

4.1967年3月「昭和史発掘」「花氷」「逃亡」などの作品と
  幅広い作家活動に対して、第一回吉川英治文学賞が与えられることに決定。

5.1971年、6月、読者投票により「奇妙な被告」が第三回小説現代ゴールデン読者賞
  (昭和46年上半期)に選ばれる。


正解 (正解は5)1971年 誤=「奇妙な被告」・正=「留守宅の事件」  「奇妙な被告」  「留守宅の事件」

1.1953年  「或る『小倉日記』伝」 
2.1959年  「小説帝銀事件」 
3.1963年  「日本の黒い霧」 「深層海流」 「現代官僚論」 
4.1967年  「昭和史発掘」 「花氷」 「逃亡」 
問 5 ●以下は松本清張の小説の題名である。間違っている記述はどれか。


1.「危険な広告」・「危険な斜面」

2.「不安な演奏」・「典雅な姉弟」

3.「混声の森」
・「真実の森」

4.「空の城」・「水の肌」

5.・「火の縄」・「火の記憶」


正解 (正解は3) 誤=「真実の森」 正=「真贋の森」

1.「危険な広告」 「危険な斜面」
2.「不安な演奏」 「典雅な姉弟」
3.「混声の森」 「真贋の森」
4.「空の城」 「水の肌」
5.「火の縄」 「火の記憶」
問 6 ●以下は松本清張の小説で、改題された題名である。原題と改題の間違った記述はどれか。


1.「すずらん」(原題=六月の北海道)


2.「風紋」(原題=流れの結像)

3.「馬を売る女」(原題=利)

4.「疑惑」(原題=遠ざかる足音)


5.「雑草群落」(原題=風圧)


正解 (正解は4) 誤=「遠ざかる足音」 正=「昇る足音」

1.「すずらん」 原題=「六月の北海道」
2.「風紋」 原題=「流れの結像」
3.「馬を売る女」 原題=「利」
4.「疑惑」 原題=「昇る足音」
5.「雑草群落」 原題=「風圧」
問 7 ●以下は松本清張のある作品の後書きである。「○○」の作品名が正しい記述はどれか。

>「○○」は、今をときめく某検事から聞いた話が素材になっている。
>当時、彼は世間に有名な二つの汚職事件を手がけて、その名前は、広く知れわたっていた。
>だが、検事として有名になるのと、その出世コースとは別ものである。
>二つの疑獄事件は、政財界をゆるがすほどのものだったが、例によって圧力がかかり、
>結果的には竜頭蛇尾のものになった。



1.尊厳

2.断碑

3.鬼畜

4.暗線

5.反射


正解 (正解は3) 鬼畜 松本清張全集7/あとがき

1.「尊厳」
2.「断碑」
3.「鬼畜
4.「暗線」
5.「反射」
問 8 ●以下は松本清張の小説の題名である。同名の題名がないものはどれか。


1.「逃亡」

2.「暗線」


3.「疑惑」

4.「突風」

5.「転変」


正解 (正解は2) 「暗線」

1.
逃亡〔(株)文藝春秋=松本清張全集29(1973/06/20)〕(原題=江戸秘紋)
逃亡〔(株)文藝春秋=松本清張全集24(1972/10/20)〕(【無宿人別帳】第四話)

3.
疑惑〔(株)文藝春秋=疑惑(1982/03/30)〕(原題=昇る足音)
疑惑〔(株)文藝春秋=松本清張全集36(1973/02/20)〕

4.
突風〔中央公論新社=突風(中公文庫)(2002/06/25)〕(【影の車】第八話)
突風〔(株)文藝春秋=松本清張全集24(1972/10/20)〕(【紅刷り江戸噂】第三話)

5.
転変〔(株)文藝春秋=松本清張全集35〕
転変〔(株)文藝春秋=松本清張全集29(1973/06/20)〕(【大奥婦女記】第八話)
問 9 ●松本清張の以下の作品は、シリーズ作品として書かれたものです。
  シリーズ作品名と、その中の作品名の組み合わせが間違っている記述はどれか。


1.【黒の様式】=(歯止め・犯罪広告・微笑の儀式)

2.【隠花の飾り】=(交通事故死亡1名・偽狂人の犯罪・家紋)

3.【影の車】=(確証・万葉翡翠・薄化粧の男)

4.【黒い画集】=(遭難・証言・坂道の家)

5.【黒の図説】=(速力の告発・分離の時間・鴎外の碑)


正解 (正解は2) 誤=【隠花の飾り】 正=【死の枝】  【隠花の飾り】

1.【黒の様式】 (「歯止め」 「犯罪広告」 「微笑の儀式」
2.【死の枝 (「交通事故死亡1名」 「偽狂人の犯罪」 「家紋」
3.【影の車】 (「確証」 「万葉翡翠」 「薄化粧の男」
4.【黒い画集】 (「遭難」 「証言」 「坂道の家」
5.【黒の図説】 (「速力の告発」 「分離の時間」 「鴎外の碑」
問 10 ●次の記述は、松本清張の短編小説1.「一年半待て」 2.「遠くからの声」 3.「凝視」
  4.「いきものの殻」・5.「二冊の同じ本」の書き出しの文章であるが、間違っている記述はどれか。


1.まず、事件のことから書く。被告は、須村さと子という名で、二十九歳であった。
  罪名は、夫殺しである。さと子は、戦時中、
××女専を出た。
  卒業するとある会社の社員となった。
(一年半待て)

2.民子が津谷敏夫と結婚したのは、昭和二十五年の秋であった。仲人があって、お見合いをし、
  半年ばかり交際をつづけ、互いに愛情をもち会って一緒になった。
(遠くからの声)

3.行政域では、東京都の隣県に属した都市であった。近年、東京都の周辺都市に住宅地
  の密集化が 急速にすすんできたが、そのような土地でもまだ「田舎」が残っている。
(凝視)

4.タクシーは、門を入って、しばらく砂利道を徐行した。
  片側の斜面に桜が見える。前栽培にも、桜がある。その蔭から、玄関に立て看板の
  ように出された「R物産株式会社社人会会場」の貼紙が見えてきた。白服のボーイが
  二人、大股で寄ってきて出迎えた。
(いきものの殻)

5.話は古書目録のことからはじまる。神田では毎年何回か古書店が共同して開く
  古本即売会がある。
  新聞にも取り上げられるくらい評判だが、その会が行われる二週間くらい前には、
  参加の古書店が顧客先に出品目録を送ってくる。
(二冊の同じ本)


正解 (正解は4) 誤=「桜」 正=「紅葉」

>タクシーは、門を入って、しばらく砂利道を徐行した。
>片側の斜面に
が見える。前栽培にも、がある。その蔭から、玄関に立て看板の
>ように出された「R物産株式会社社人会会場」の貼紙が見えてきた。白服のボーイが
>二人、大股で寄ってきて出迎えた。

1.「一年半待て」
2.「遠くからの声」
3.「凝視」
4.「いきものの殻
5.「二冊の同じ本」
問 11 ●次の記述は、松本清張の「昭和史発掘」の書き出しであるが、
  タイトルとその内容が間違っている記述はどれか


1.
(芥川龍之介の死)
  昭和二年は不況の絶頂で、政府は失業者五十万と発表したが、潜在失業者を含めて
  三百五十万というのが今日の常識になっている。
  若槻内閣の下でおこった金融恐慌は、片岡直温蔵相の失言から、ついに、台湾銀行
  閉鎖というパニック状態を現出した。

2.(天皇機関説)
  昭和五年は暗い年であった。浜口内閣による緊縮政策は、かってない不況時代を
  現出した。
  中小企業は倒れ、工場は閉鎖され、失業者は巷にあふれた。新聞の社会面には、
  生活苦による一家心中が目立っている。米価は下がり、漁村は没落した。
  郵便貯金は利下げし、火葬料の値下げ、質屋の利下がり、旅館代の値下がりが
  相次いだ。内務省は失業救済事業の奨励を各市町村にしきりと通達したが、はかばか
  しくなかった。

3.(小林多喜二の死)
  小林多喜二のことは、すでに多くの研究や考証がなされて、ほとんど
  これに加えるものがない。三十歳にして拷問によって殺されたこのプロレタリア作家は、
  今日もその作品の評価を色褪せることなく持ちつづけている。
  多喜二は短い生涯に終わっただけ彼について研究されるものはすべて出つくしている。

4.(石田検事の怪死)
  大正十五年十月三十日(この年は十二月二十五日から昭和と改元)
  午前五時四十分ごろのことで あった。
  東海道線、大森、蒲田駅の中間で、新井宿第二開渠の線路踏切付近を歩いていた保線工夫
  小峰友三郎という男が開渠のところにきて足をとめた。
  大森、蒲田間は丁度工事中だったので、小峰工夫は蒲田工場詰の徹夜番として警戒していたのだが、
  その任務が終わっての帰りだった。

5.(佐分利公使の怪死)
  昭和四年十一月二十八日の夜十二時近いときである。
  箱根宮ノ下にある富士屋ホテルの玄関に、雨の中を自動車が入ってきた。
  富士屋ホテルは客の八割までが外人で、日本人客も知名人が多い。
  事務員の磯崎専次が出てみると、車から降りたのは体格のいい五十前後の紳士だった。
  「いらっしゃいまし」事務員はていねいに頭を下げた。「車をどうもありがとう」と客はいったが、
  これは乗ってきた自動車がホテルのもので、彼は仙石原から、電話でよんだのである。


正解 (正解は2) 誤=「天皇機関説」 正=「潤一郎と春夫」

1.「芥川龍之介の死」
2.「天皇機関説」 潤一郎と春夫
3.「小林多喜二の死」
4.「石田検事の怪死」
5.「佐分利公使の怪死」
問 12 ●松本清張の長編小説で上下2巻で刊行されたものである。
 (赤い氷河期黒革の手帖聖獣配列夜光の階段
 上巻・下巻の単行本の帯(腰巻き)で正しい組み合わせの記述はどれか。


1.女は成功の手段に利用するのみ!!
  財力も後楯もない地方出の新進男性ヘヤーデザイナーは、野望に燃えて危険な階段を登る!!

2.発病を促進させる者は誰か?
  生き残りを賭け、地下で展開する熾烈な戦い。科学資料を駆使して描く驚愕の最新長篇。

3.十数年の満たされぬ境遇への怨念をかけ、緻密な企画で作成した行金横領のための
  ブラックリスト−−−この武器≠ナ見事に転身した女の幸せはどこまで続くか?

4.密かな洒落た男女の関係も醜悪な終わりがある。振返るな! 前進あるのみ!!
  成功に片手をかけた青年は、最後の飛躍を夢見る!!

5.華麗な迎賓館の奥深く、米大統領バートンと濃密な夜を過ごした可南子が、
  偶然隠し撮った驚愕の極秘国際会談の証拠写真。
  その成果を期待した彼女はバートンを追う・・・・・・

6.エイズ! 世界を恐怖に陥れたウイルスはヨーロッパ山岳地方にまで侵入し、
  人類滅亡の歌を密かに唱っていた・・・・・・

7.夜の銀座を徘徊する脱税医師、国会議員秘書、予備校関係者、総会屋・・・・・・
  社会の裏に通じた人たちだけに、弱みは多い。
  女は標的に向かって行動を開始した−−−

8.スイス銀行の地下に眠る”資金”とは何か?
  アルプス山麓で、オランダで、次々と消される関係者。
  渦中にある可南子を保障するものは?恐るべきスイス銀行の絡繰り・・・・・・


1.1−4 6−2 3−7 5−8

2.1−4 2−6 3−7 5−8

3.1−4 6−2 7−3 5−8

4.4−1 6−2 3−7 8−5

5.1−4 2−5 3−7 6−8


正解 (正解は1) 1−4 6−2 3−7 5−8

1.「夜光の階段(上)」 4.「夜光の階段(下)」
6.「赤い氷河期(上) 2.「赤い氷河期(下)
3.「黒革の手帖(上)」 7.「黒革の手帖(下)」
5.「聖獣配列(上)」   8.「聖獣配列(下)」

1.「夜光の階段(上)」
2.「赤い氷河期(下)
3.「黒革の手帖(上)」
4.「夜光の階段(下)」
5.「聖獣配列(上)」
6.「赤い氷河期(上)
7.「黒革の手帖(下)」
8.「聖獣配列(下)」
問 13 ●以下の記述は、松本清張の長編小説「点と線」を紹介した フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia) 】   の文章である。(2007年12月1日現在)
  間違っている記述はどれか。
(注/原文から作品のキーワードになる言葉を変更して間違いの文章を作りました)


1.料亭「小雪」の女中二人に、東京駅の13番線で見送られていた機械工具商会を経営する安田辰郎。
  三人は、向かいの15番線に同じく「小雪」で働くお時が男と夜行特急列車「あさかぜ」に乗り込むところ
  を見つける。

2.だが数日後、お時とその男・佐山は、宗像の海岸で死体となって発見された。

3.一見ありふれた情死に見えたが、博多のベテラン刑事・鳥飼重太郎は、佐山が持っていた車内食堂の
  伝票から事件の裏の真相を探るため、一人捜査をすることにする。

4.一方、佐山は現在社会をにぎわしている
××省の汚職事件の関係者であった。
  この事件を追っていた本庁の刑事・三原紀一は、心中事件を追って九州へ向かい、鳥飼と出会う。

5.捜査の結果二人は、東京駅で13番線から15番線が見えるのは、1日の中でわずか4分しかないことを
  突き止め、安田を容疑者として追及しようとする。だが、安田には完璧なアリバイがあった。


正解 (正解は2) 「点と線」

料亭「小雪」の女中二人に、東京駅の13番線で見送られていた機械工具商会を経営する安田辰郎。
三人は、向かいの15番線に同じく「小雪」で働くお時が男と夜行特急列車「あさかぜ」に乗り込むところを
見つける。だが数日後、お時とその男・佐山は、
香椎の海岸で死体となって発見された。
問 14 ●以下の記述は、松本清張の長編小説「西海道談綺」(株)文藝春秋刊、全五巻の帯の紹介文である。
  下記の記述の中で「西海道談綺 三」(第三巻)の帯の記述はどれか。


1.ついに来た援軍・犬神宗族と秀観一味の対決呪術くらべのクライマックス
  主要な登場人物はことごとく山中に集結した。

  甚兵衛が口説き落とした犬神宗族の統領は村人の怒りをこめて秀観の呪術に立ち向う。
  妖気を孕んだ対決をよそに、地底に閉込められた恵之助らはさらに大きな法螺の音を聞いた。

2.罠と知りながら女を攫った山伏集団を追って潜入した男に危機が迫った。
  つけ火騒ぎのどさくさにおえんは秀観一味にさらわれた。

  通報を受けた太田恵之助は眞相究明のため山中深く追跡する。
  助けるのは甚兵衛ただ一人。救援を求める使いに出した喜助もまだ帰らない。
  代官所の面々も山に向かう。

3.敵は誰か?味方は誰か?疑心暗鬼の攻防の中で謎は解け始める
  白髪女の裏切りで囚われのおえんは色好み秀観の邪心の前に曝されている。

  一方、横恋慕する向井も破傷風に苦しみながら執拗におえんを追う。
  敵味方入乱れた謀略の渦の中で、恵之輔はひたすら援軍を待つのだが・・・・・・

4.上司を斬り密通の妻を廃坑につき落して逐電した男の数奇な物語
  作州から江戸へ、そして西海道へ。

  養子縁組で直参に変身した恵之助は密命をおびて西国郡代地方手附となり、日田へ着任した。
  しかし、現地の壁は厚く、恵之助の見えざる敵とのたたかいが始まる。

5.隠し金山を探る西国郡代手附を正体不明の山伏集団が挑発する
  西国郡代手附太田恵之助をめぐる多彩な登場人物−−−江戸から追ってきた柳橋芸者おえん。

  若党の喜助。浅からぬ因縁の山師甚兵衛と白髪女お島。
  恩誼を感じる森藩菅沼吉十郎。。そして悪役の山伏集団・宇佐石体権現。


正解 (正解は2)「西街道談綺(3)」

1.「西街道談綺(5)」
2.「西街道談綺(3)
3.「西街道談綺(4)」
4.「西街道談綺(1)」
5.「西街道談綺(2)」
問 15 ●以下は松本清張の短編小説の主な登場人物である。正しい作品名はどれか。

1.植木寅夫(28歳。被告)
2.原島直己(弁護士、植木の国選弁護士)
3.山岸甚兵衛(62歳。被害者、植木に殺される。金貸し。)


1.「見送って」

2.「田舎医師」

3.「百円硬貨」

4.「確証」

5.「奇妙な被告」


正解 (正解は5)「奇妙な被告」

1.「見送って」
2.「田舎医師」
3.「百円硬貨」
4.「確証」
5.「奇妙な被告
問 16 ●以下は松本清張の長編小説「巨人の磯」の書き出し部分である。

@○○で開かれた法医学関係の学会に出た清水泰雄は、帰京の途中、A○○で降りた。
>九月二十二日の夕方である。
>清水はB○○のある大学の教授で、今年の十一月には満六十一歳になる。
>夏も終わった大洗海岸に清水がどうしてひとりで泊まる気になったかといえば、九州出身の彼は、
>未だにそこに行ったことがないからだった。
B○○に住むようになって長いが、いつまでもそこに行けると思っていたせいもあって、
>これまで訪れる機会がなかった。


@○○・A○○・B○○の○○に入る地名で、下記の記述で正しい記述はどれか。


1.@盛岡   A水戸  B東京

2.@青森   A福島  B東京

3.@宇都宮 A大宮  B埼玉

4.@仙台   A水戸  B東京

5.@盛岡   A郡山  B千葉


正解 (正解は4)「巨人の磯」
問 17 ●以下は松本清張の長編小説『砂の器』を紹介した文章である。
   (出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
    注)「■■■■・■■■■」は、30問の記述問題です

 ○○部分には人名(苗字)が入るが、下記の記述でその組み合わせが正しい記述はどれか。


ある夜、蒲田駅の操車場で一人の男の他殺死体が発見された。被害者の身元は不明で、
唯一の手がかりは東北訛りと「カメダ」という言葉のみ。警視庁の捜査は難航を極め、
一度は継続捜査となるが、捜査第一課の今西刑事とその部下吉村刑事は持ち前の粘り強さで、
遠回りをしながらも真実に近づいていく。

一方、そのころ「■■■■・■■■■」とよばれる、若い世代で新しい芸術論を唱えるグループがいた。
今西はその中の一人、評論家@○○重雄の愛人・恵美子に接触。
やがてA○○秀夫という一人の男にたどり着く。

石川県の寒村に生まれ、父・千代吉がハンセン氏病に罹患したため母が去り、やがて村を追われ、
やむなく父と巡礼姿で放浪の旅を続けていたA○○秀夫は、3年後に島根県の亀嵩で駐在の
B○○謙一に保護された。父はそのまま療養所に入れてもらい、
秀夫は子の無いB○○に引き取られることになった。しかし、秀夫はすぐにB○○の元を逃げ出し
姿を消した。
大阪まで逃れた秀夫は自転車屋のC○○夫婦のもとで店員として働きだしたが、
その後、空襲で夫婦は亡くなり、同空襲で原本と副本がともに焼失したC○○夫婦の戸籍を詐称して
C○○英良と名乗り、新進気鋭の天才作曲・./../../seityou_g/062_sei_kagenokuruma_dai02wa_mannyouhisui__01.htmle="3">
和賀は過去の出来事が発覚する事を恐れ、自分の元を尋ねてきたB○○を蒲田駅で殺してしまう。

今西は、B○○殺害の真犯人としてC○○を追い詰めていくなかで、C○○の過去とハンセン病に対する
差別の現実を垣間見てゆく。



1.@関川   A本浦  B三木 C和賀

2.@西川   A和賀  B三木 C本浦

3.@関川   A本浦  B二木 C和賀

4.@関川   A和賀  B三木 C和田

5.@西川   A本浦  B二木 C和賀


正解 (正解は1)「砂の器」 (@関川 A本浦 B三木 C和賀)
問 18 ●以下は松本清張の小説をキーワードで表したものですが、間違った組み合わせはどれか。


1.
(遠くからの声)= 女子大・新聞社・幇間・九州・吸収合併・大阪・火事・赤坂のクラブ

2.
(内なる線影)= ヒッピー族・精神病・トンボ眼鏡・福岡地方・洋画界・玄界灘・白水・ノイローゼ・能古亭

3.
(金環食)= 新聞記者・GHQ・アメリカ占領軍・北海道礼文島・観測地点・勝利国

4.
(葡萄草文様の刺繍)= ブリュッセル・ホテル・テーブルクロス・バーのマダム・週刊誌・刺繍

5.
(薄化粧の男)= 愛人・共謀・牛乳配達・練馬区高松町・椎名町・ゲイボーイ・ルノー・吝嗇・本妻・妾


正解 (正解は1)「翳った旋舞」

1.「翳った旋舞  「遠くからの声」
2.「内なる線影」
3.「金環食」
4.「葡萄草文様の刺繍」
5.「薄化粧の男」
問 19 ●以下は松本清張の長編小説を紹介した文章である。
  題名との組み合わせが間違っている記述はどれか。


1.霧の旗
殺人容疑で捕えられ、死刑の判決を受けた兄の無罪を信じて、柳田桐子は九州から上京した。彼女は高名な弁護士大塚欽三
に調査を懇願するが、すげなく断わられる。兄は汚名を着たまま獄死し、桐子の大塚弁護士に対する執拗な復讐が始まる…。
それぞれに影の部分を持ち、孤絶化した状況に生きる現代人にとって、法と裁判制度は何か?を問い、その限界を鋭く指摘した
野心作である

2.砂漠の塩
窓の外は依然として白い色がつづいていた。野木泰子は、ときどき、うす眼をあけてはそれを眺めた。眼にうつる変化は何も
なかった。機内の客は、ほとんど話し声を絶ち、睡るか、本を読むかしていた。一人の日本娘を含めたスチュワーデスは三時間前
に昼食とも夕食ともつかぬものを運んでからは姿を消してしまい、懶い機関の音だけが足もとに震えていた。
乗客は大体三分の一くらいで、三つならんだ椅子席が、どの列も一つか二つ空いていた。泰子の坐っている隣りの席も
二人ぶんの手回り品の置場所になっている。その隣りには、新聞社に勤めているという三十歳の女が椅子を倒して頭をうしろに
投げ出していた。…

3.眼の壁
白昼の銀行を舞台に、巧妙に仕組まれた三千万円の手形詐欺。責任を一身に背負って自殺した会計課長の厚い信任を得ていた
萩崎は、学生時代の友人である新聞記者・田村の応援を得て、必死に事件の真相を追う。二人は事件の背後にうごめく巨大な
組織に立ち向かうが、手がかりは次々に消え去ってしまう…。複雑怪奇な社会の裏に潜む悪の実体をあばき、鬼気迫る追求が
展開するベストセラー。

4.熱い絹
四国のある県警捜査一課長、香春(かわら)銀作は、文芸雑誌の同人評に引用された小説の一場面に目をとめた。九州在住の
下坂一夫という文学青年が書いたというその描写は、香春が担当している“未亡人強姦殺人事件”の様子と酷似しすぎていたのだ。
再捜査により、その小説が九州の旅館女中失踪事件と結びついたとき、予期せぬ真相が浮かび上がる――文壇デビューを
夢見る青年が盗作した小説が鍵となる推理長篇。

5.蒼ざめた礼服
味気のない毎日を送っていたサラリーマン片山幸一は、古本屋で偶然に買った古雑誌をきっかけに、業界誌を発行する経済
研究所に転職した。幸一は、好奇心から雑誌の記事になりそうなある“謎”を追っていくが、やがて彼はこの“謎”の裏側には、
新型潜水艦の艦種決定問題があることを突き止める。だが、“謎”を追う幸一の身には、次第に危険な影がつきまとうようになり…。
巨大な政治の思惑に直面した個人の姿を描く野心作。


正解 (正解は4)「渡された場面」 「熱い絹」

1.「霧の旗」
2.「砂漠の塩」
3.「眼の壁」
4.「渡された場面
5.「蒼ざめた礼服」
問 20 ●松本清張の長編時代小説の題名(A,B,C)と、その内容を紹介した文章(1.2.3)の
  組み合わせで、正しい記述はどれか。
  (出典: 電子書籍はイーブックジャパン 』


A.『鬼火の町』

B.『かげろう絵図』

C.『無宿人別帳』


1.天保十一年、時の将軍は徳川家慶。しかし実権は、大御所・家斉が握っていた。
  絢爛たる吹き上げの桜見の会で、盛装した奥女中らが注視する中、事件は起こった──。
  家斉が寵愛する中臈・お美代の方とその養父にして背後の黒幕・石翁。栄華をきわめる彼らと、
  その追い落としを謀る水野忠邦一派。両者の罠のかけあいをミステリ・タッチで描き、
  権力に群がる矮小な人間の姿を炙りだす。権謀術数の大奥を生きる美女達に、快男児あり、
  色模様あり、黒幕ありの傑作時代小説。

2.花のお江戸は天保時代の、ある朝のこと。大川(隅田川)に厚い霧がたちこめる中、
  亡霊のように漂う一艘の釣舟があった。やがて二人の男の水死体が流れ着く。川底をさらうと
  豪華な女ものの煙管(きせる)が見つかった。いったんは事件を任された岡っ引・藤兵衛だが、
  聞き込みをはじめると、八丁堀の同心からやんわりと圧力がかかる。お上に関係のある事件か? 
  反骨の藤兵衛を助ける颯爽の旗本・釜木進一郎、無気味な寺僧、大奥に棲む女たちを配してくり
  広げられる、長篇時代推理!

3.無宿者は江戸制度の谷間──。人別書き、現代でいえば戸籍から除かれた彼らは町内で住居を
  定めるのもままならず、ましてや定職など持てようはずがない。食い詰めた無宿人から犯罪が
  頻発したのは当然である……。賭場の喧嘩で八丈島へ流され、赦免船を待ちわびる忠五郎、
  牢の火事で思わぬ自由を得た平吉、佐渡から島抜けを図る新平、入墨を暴かれて堅気の暮しを
  失う卯助など、都市の底辺で喘ぎながらも自由と公正を渇望する男達を描いた傑作時代短篇集。


1.A=1 B=2 C=3

2.A=1 B=3 C=2

3.A=2 B=1 C=3

4.A=2 B=3 C=1

5.A=3 B=2 C=1


正解 (正解は3)鬼火の町 「かげろう絵図」 「無宿人別帳」
問 21 ●以下の記述は松本清張の長編小説「時間の習俗」のあらすじである。

  (出典: 電子書籍 『時間の習俗』松本 清張|Timebook Town より/あらすじ)

神奈川県の相模湖畔で交通関係の業界紙の社長が殺された。
関係者の一人だが容疑者としては一番考えにくい
『○○会社の○○』は、殺害の数時間後、
遠く九州の和布刈神社で行われた新年の神事を見物し、カメラに収めていたという完璧すぎる

アリバイに不審を持たれる
――『点と線』の名コンビ三原警部補と鳥飼老刑事が試行錯誤を繰返しながら

巧妙なトリックを解明してゆく本格推理長篇

容疑者とされる人物、『○○会社の○○』は以下の記述のどれか。


1.運送会社の社長

2.バス会社の専務

3.業界紙の専務

4.鉄道会社の社長

5.タクシー会社の専務


正解 (正解は5)時間の習俗」 
問 22 ●以下は松本清張の作品名、登場人物、人物像の組み合わせである。
  間違った組み合わせの記述はどれか。


1.「地方紙を買う女」
  
田坂 ふじ子=庄田咲次と情人関係(小説内の表現)。潮田芳子と三角関係
 
2.「葦の浮船」

  近村 達子=折戸二郎の愛人。進んで折戸の女になったのか?。遺書を遺して自殺を図る。死亡。

3.「箱初詣で」
  
直井 慶子=弘吉と再婚。前夫(直井祐介)はニューヨークで死亡、慶子が25歳の年の七月半ば

4.「一年半待て」
  
高森 たき子=評論家。須村さと子の特別弁護人を買って出る。

5.「留守宅の事件」
  
高瀬 昌子=宗子の妹。高校教師。形見に「ウールのツーピース」を欲しがるが、解決へのヒントになる。


正解 (正解は2)「葦の浮船」  人物像は「笠原幸子」のものである。
問 23 ●松本清張の小説日本芸譚(原題=日本芸譚)は「藝術新潮」にて発表された。
  シリーズものの作品である。松本清張全集26巻「(株)文藝春秋刊」で取り上げられなかった
  作品はどれか。


1.「鳥羽僧正」・「葛飾北斎(北斎)」

1.「古田織部」・「世阿弥」

2.「千利休」・「運慶」

3.「小堀遠州」・「写楽」

4.「本阿弥光悦(光悦)」・「岩佐又兵衛」

5.「雪舟」・「止利仏師」

※発表時に選択肢が6肢(1.が重複)。「古田織部」・「世阿弥」を削除します。2015年12月2日
正解 (正解は1)「小説日本芸譚」 
問 24 ●以下は松本清張の小説「留守宅の事件」での交番の巡査(平田巡査)の証言 である。
  下記の記述で平田巡査の同僚であり、当時見張勤務中の巡査の名前が正しい記述はどれか。

>私は休憩時間に相当しておりましたので、所内の見張所の時計のところに腰掛けて見張勤務中の
○○巡査と相撲の話をしておりましたら、一人の男が参りまして、○○巡査に向って
>『勤めから帰ったら、ぼくの妻が殺されていましたからすぐ来て下さい』と云ったので、
○○巡査が
>『どうして殺されたのか』と訊ねましたら、『家の裏の物置小屋に横たわっている。どうして殺されたの
>かよくわからないが、とにかく殺されています』と申しました。


1.山田巡査

2.田中巡査

3.中山巡査

4.山口巡査

5.石田巡査


正解 (正解は2)「留守宅の事件」 
問 25 ●1963年、松本清張の作品で歴史をゆがめる作品として、「文芸時評」で林房雄に批判され、
  朝日新聞紙上で再度にわたって反論した。その作品名ははどれか。


1.「熱い空気」

2.「砂漠の塩」

3.「内海の輪」

4.「表象詩人」

5.「万葉翡翠」


正解 (正解は4)「表象詩人」

1.「熱い空気」
2.「砂漠の塩」
3.「内海の輪」
4.「表象詩人
5.「万葉翡翠」
問 26 ●以下は松本清張の長編小説である。1960年代に発表された作品どれか。


1.「強き蟻」

2.「告訴せず」(原題=黒の挨拶(第一話)へ加筆)

3.「山峡の湯村」

4.「十万分の一の偶然」

5.「花氷」


正解 (正解は5)「花氷」 他は、1970・80年代

1.「強き蟻」(1970年1月〜1971年3月)
2.「告訴せず」(1973年1月12日〜11月30日)
3.「山峡の湯村」(1975年2月)
4.「十万分の一の偶然」(1980年3月20日〜1981年2月26日)
5.「花氷1965年1月〜1966年5月
問 27 ●以下は松本清張の長編小説である。いずれも1960年代の作品であるが、
  同時期(発表時期の重複)に書かれたものはどれか。

A「球形の荒野」 B「深層海流」 C「北の詩人」 D「雑草群落」 E「隠花平原」


1.A・B

2.B・C

3.C・D

4.D・E

5.E・A


正解 (正解は2/B・C) B.「深層海流」 C.「北の詩人」

A.「球形の荒野」1960年(昭和35年)1月号〜1961年(昭和36年)12月号
B.「深層海流1962(昭和37年)2月号
C.「北の詩人1962(昭和37年)1月号1963(昭和38年)3月号
D.「雑草群落」1965年(昭和40年)6月号18日号〜1966年(昭和41年)117日号
E.「隠花平原」1967年(昭和42年)17日号〜1968年(昭和43年)316日号
問 28 ●以下は松本清張と井上ひさし氏の対談の一部である。

井上 ここへ来る前に本田英三郎さんという演劇のプロデュサーと一緒だったんですが、この人は松本さ
    んの「西郷札」をこの間芝居にした人ですね。もちろん小説も良かったんですけれど、芝居の方も良
    かったですね。
松本 ああそう。実はぼくはそれを観ていないんですよ。だいたい自分が観るとがっかりすることが多いか
    らね。
井上 そうですか(笑)。でも、本当に良く出来ておりましたよ。
松本 じゃあ、せっかくだから芝居の話から始めましょうか(笑)。
今年「前進座」の七十周年記念で、ぼくは
    そのために芝居を書いたんだよ。
中村勘右衛門と河原崎国太郎の二人の役者の性格に合わせて
    筋を書いたのだけど、これは座付作者みたいなもので、井上君のお株を奪ったみたいで申し訳ない
    けどね。(笑)
井上 いやいや(笑)。それで、どういう話なんですか。  


「前進座」の七十周年記念で松本清張が書いた「話」とはなにか


1.「細川の茶碗」

2.「いびき地獄」

3.「鬼三味線」

4.「日本改造法案−北一輝の死」

5.「遊殺」


正解 (正解は1)「細川の茶碗」

1.「細川の茶碗
2.「いびき地獄」
3.「鬼三味線」
4.「日本改造法案−北一輝の死」
5.「遊殺」
問 29 ●以下の記述は、松本清張の古代史関係の作品である「古代史疑」の目次の一部である。
 目次の項目で間違っている記述はどれか。


1.三世紀の日本

2.大和か九州か(簡単な学説史)

3.魏志の中の五行説

4.卑弥呼とはだれか

5.女王論


正解 (正解は5)誤=女王論 正=卑弥呼論 「古代史疑」

1.「三世紀の日本」
2.「大和かか九州(簡単な学説史)」
3.「魏志の中の五行説」
4.「卑弥呼とはだれか」
5.「弥呼論
問 30 ●松本清張の長編小説「砂の器」で主人公の和賀英良の属する芸術家集団の名前を記述せよ。

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正解 【ヌーボー・グループ】 「砂の器」

 

問題の難易度

問題作成者の評価
(簡単) 6問
(普通) 16問
(難題) 8問

 

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