松本清張_風紋(改題)

(原題=流れの結像)

題名 風紋
読み フウモン
原題/改題/副題/備考 (原題=流れの結像)
本の題名 風紋【蔵書No0076】
出版社 (株)講談社
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1978/06/12●初版
価格 850
発表雑誌/発表場所 「現代」
作品発表 年月日 1967年(昭和42年)1月号〜1968年(昭和43年)6月号
コードNo 19670100-19680600
書き出し 早春の朝、今津章一は東方食品株式会社に、一番気に入った服を着て出勤した。ネクタイも昨夜銀座で買ったものをつけていた。埃っぽい、ふだんの通勤服と違って、心まで清潔にひきしまった感じがした。本社ビルは日本橋にある。三年前に新築したもので、今では場所柄かえって贅沢な感じがしないでもない中層六階建ての白亜が朝の強い光線に浮き出ていた。今津の所属は三階の文書部であった。文書部の広い一部屋の五分の一くらいの場所に今津の机はあった。文書部との間は衝立で仕切り、机が四つならんでいた。外側の窓際を除いて、三方の壁は書棚が塞いでいる。ちょっと見ると、新聞社の調査室を小さくしたような感じだが、ここは社史編纂室という名がついていた。社史編纂室は半年前に発足したばかりで、書棚の蔵書も資料もまだ乏しい。今津が入ると、室長の浅野忠と山根静子という女の子が一人、ぽつんと坐っていた。
作品分類 小説(長編) 215P×600=129000
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