松本清張_無宿人別帳 第四話 逃亡

題名 無宿人別帳 第四話 逃亡
読み ムシュクニンベツチョウ ダイ04ワ トウボウ
原題/改題/副題/備考 【同姓同名】
●シリーズ名=無宿人別帳
備考=冒頭、〔安永七年、老中書付 佐渡年代記〕    を引用
●全12話
 1.町の島帰り
 2.海嘯
 3.
おのれの顔
 
4.逃亡
 5.
俺は知らない
 6.
夜の足音
 7.
流人騒ぎ
 8.
抜け舟(未購入)
 9.
赤猫
10.
左の腕
11.
なかま(未購入)
12.
雨と川の音
●全集(全10話)
 1.町の島帰り
 2.海嘯
 3.
おのれの顔
 
4.逃亡
 5.
俺は知らない
 6.
夜の足音
 7.
流人騒ぎ
 8.
赤猫
 9.
左の腕
10.
雨と川の音
本の題名 松本清張全集 24 無宿人別帳・彩色江戸切絵図/紅刷り江戸噂【蔵書No0134】 映画
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1972/10/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「オール讀物」
作品発表 年月日 1957年(昭和32年)10月号
コードNo 19571000-00000000
書き出し 昨日、尾張無宿の宗七が人足小屋で病死した。宗七は身体があまり頑丈でなかった。何十尺という地底での息つくひまもない水替労働の過重に耐え切れなかったのである。宗七は蒼い顔をして三日ばかり寝込んだ。それを叩き起こして坑内に追い込んだのは、鉱山の地役人である。「やい、仮病を云うな、怠けると痛い目を見せるぞ」決して仮病で怠けているのでもない。と宗七は衰弱した身体をはだけて見せたが、役人はきかなかった。「息をしているうちは働くのだ。甘え顔をしているからと思って、つけ上がるな。うぬらのような無宿人に甜められ堪るか」役人は鞭を振った。宗七は病犬のように喘ぎながら二日ばかり我慢していた。それも仕事場では仲間が見兼ねて替わってやったのだが、遂に昏倒して、暗い敷きの中で息を引いたのだった。
作品分類 小説(短編・時代/シリーズ) 17P×1000=17000
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