松本清張_隠花平原(上)

題名 隠花平原(上)
読み インカヘイゲン_01(ジョウ)
原題/改題/副題/備考 隠花平原(上)
隠花平原(下)
本の題名 隠花平原(上)【蔵書No0187】
出版社 (株)新潮社
本のサイズ 文庫(新潮文庫)
初版&購入版.年月日 1996/02/01●2版1996/05/02
価格 480+税(3%)/古本 210(税5%込み)+送料294÷4
発表雑誌/発表場所 『週刊新潮』
作品発表 年月日 1967年(昭和42年)1月7日号〜1968年(昭和43年)3月16日号
コードNo 19670107-19680316
書き出し それは「閑静」という決まり文句がつく住宅街といえた。渋谷から西のほうに出ている私鉄で十一番目の駅といえば、十年前まではまだ郊外の感じであった。今は、郊外の境界がずっと西のほうに移って、この駅を中心に商店街がつくられ、一帯はびっしりと住宅地が形成されている。空地も畑も目に入らなくなった。このような地域には共通の特徴がある。一つは前からできている住宅街で、これは見るからにゆっいたりとしていて、古いが家は大きく、ひろい敷地を持ち、たいていコンクリートかブロックの塀で囲んでいる。塀の上には古びた樹が出ている。道幅もひろい。もう一つは、この四,五年来の建築ブームで、それまでの空地や畠をつぶして建てられた新住宅地である。目新しい設計の家だが、敷地がないので、せせこましい。たいてい法規上の建坪率を犯していて、隣と隣が接した密集地帯となっている。建売住宅区域は殊にそうだ。
作品分類 小説(長編) 679P×580=393820(341P+338P)
検索キーワード