松本清張_ミステリーの系譜 第一話 闇に駆ける猟銃(改題)

(原題=闇に駆く猟銃)

〔(株)文藝春秋=全集9(1972/08/20):【ミステリーの系譜】第一話〕

題名 ミステリーの系譜 第一話 闇に駆ける猟銃
読み ミステリーノケイフ ダイ01ワ ヤミヲカケルリョウジュウ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=ミステリーの系譜
(原題=闇に駆く猟銃)

●全5話
1.闇に駆ける猟銃
2.脱獄
3.
肉鍋を食う女
4.
二人の真犯人
5.
夏夜の連続殺人事件
●全集(3話)
1.闇に駆ける猟銃
2.肉鍋を食う女
3.
二人の真犯人
本の題名 松本清張全集 7 別冊黒い画集・ミステリーの系譜【蔵書No0079】
出版社 文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1972/08/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「週刊読売」
作品発表 年月日 1967年(昭和42年)8月11日号〜10月13日号
コードNo 19670811-19681013
書き出し 「物うく、陰鬱に、音もなくひそみ返って、空には低く重たく雲のたれこめたある秋の日、ふしぎに荒涼とした土地を、わたしはただひとり、日もすがら馬で通りすぎていた」松村達雄訳 アラン・ポウの『アッシャア家の崩壊』の書き出しである。この冒頭の文章は、それから語り出される話の雰囲気を数行のうちに決定している。物語の進行につれて、読者は最初に受けた数行の印象から脱れることなく、その雰囲気の密度のなかに沈む。荒涼たる、凄まじい、厳粛な自然の像から受ける、堪えがたい感情に支配されてゆくのである。一方、殺人という異常な反社会的な事態は、しかもその内容が大量殺人という残酷な事件であればなおさらのこと、周囲の平和的な情景描写の対置によって、凄惨な効果をげる。それは山間の村が適切であろう。点在する疎らな農家の光景は誰しも平和なという観念語を思いつかせからである。最近、出版されたカボーティの『冷血』−−牧場主とその家族四人の殺害事件を扱った記録小説−−の冒頭もその例外ではない。
作品分類 小説(中編/シリーズ) 61P×1000=61000
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