NSG(日本清張学会) 徹底検証シリーズ No03NSG(日本清張学会)

「鬼火の町」「大黒屋」

●サブタイトル●
くるま宿』が清張作品の「時代物」の源流か?
源流は『無宿人別帳』と「逃亡」(原題:江戸秘紋)で本流となった???

徹底検証【03】
2021年8月21日登録

ページの最後

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比較表
「鬼火の町」 「大黒屋」
●初出 「潮」 1965年(昭和40年)8月号~1966年(昭和41年)12月号 ●初出 「オール讀物」 1964年(昭和39年)1月号~2月号
■蔵書
(株)文藝春秋=鬼火の町
■蔵書
松本清張全集 24 無宿人別帳・彩色江戸切絵図/紅刷り江戸噂
●書き出し
天保十二年五月六日の朝のことである。隅田川の上にあつい霧が白く張っていた。浅草側の待乳山も、向島側の三囲い神社も白い壁の中に塗り潰されたようである。「えれえ霧だ。一寸先も見えねとは、このことだ」と、独り言を呟いた小舟の船頭がある。夜が明けたばかりで、六ツ(午前六時)を少し回っていた。舟は千住のほうから来たのだが、折からの上げ潮にさしかかっているので、水の流れも湖水のように動かない。うっかりすると、方向を間違えて、どこかの岸にぶつかっりそうだった。現在なら汽笛でも鳴らすところだが、当時のことで、鼻唄でも唄うほかはなかった。船頭が警戒したのは、不意に、その厚い霧の中からほかの舟が正面に現れることだった。もっとも、朝が早いのでほかの舟も少ないに違いないが、しかし、一艘でも衝突の危険は同じだった。
●書き出し
文久二年正月一五日の八ツ(午後二時)ごろのことだった。日本橋堀江町の通りを二十七,八くらいの職人風な男が歩いていた。この辺りは焼芋を売る店が多い。その匂いが寒い風に混じって流れていた。この焼芋屋は冬の間だけで、春になるとすべて団扇屋に早替わりする。役者の似顔絵の団扇も、この堀江町から売出されたものだ。秋風が立つと団扇が駄目になるので、団扇が焼芋屋に早替わりするわけである。また、この辺りには穀物問屋がならんでいる。職人がふと足を停めたのは、それほど大きくない穀物問屋の店から、三十一,二くらいの大きな男がふらりと出て来たからだった。その男は酒気をおびている。十五日というと、まだ正月気分が抜けずに振舞酒を出すところもあるから、これはふしぎではない。ただ、その職人が男に眼をつけたのは、酔った彼の人相がよくないのと、その男の出ていったあとで四十七,八ぐらいの雇女が塩を撒いていることだった。
 時 代
天保十二年五月六日(1842年)  文久二年正月一五日(1862年)  
 登場人物(鬼火の町)  登場人物(大黒屋)
藤兵衛 川島配下の岡っ引き。子分は幸太、亀吉、伝八、春造、銀五郎。女房はお粂。
幸太 藤兵衛の子分。一の子分だけあって大活躍をする。
釜木 進一郎 小普請組。川路三左衛門と昵懇。
事件に深入りしながら、藤兵衛と共に解決に導く。
川島 正三郎 八丁堀の同心。長いものに巻かれろか、藤兵衛の邪魔をする。
惣六 屋根屋の和泉屋八左右衛門の屋根職人。大奥の浦風といい仲。
仙造と共に殺される。
仙造  船宿「つたや」の船頭。惣六と共に殺される。 
中野 碩翁  お美代の方の養父。将軍家斉に取り入り実権を持つ。巨悪の権化? 
お美代の方  将軍家斉の寵愛を受ける。養父中野碩翁の後ろ盾になる。 
浦風  大奥の女中(中臈)。お島、お澄を部屋子としている。淫奔。惣六、了善が男 
川路 三左衛門  川路三左衛門聖?(トシアキラ)
(小普請奉行/40歳)実質的に事件を解決に導く。 
納所坊主(了善)  円行寺の納所坊主。浦風の相手。惣六殺しの下手人 
常右衛門 四十二歳。大黒屋常右衛門。浄験寺の住職(雲岳)や
甲州屋六兵衛らと贋金造り。女房が、留五郎に岡惚れされ困る。
留五郎 三十一,二歳。大黒屋常右衛門らの贋金造りの仲間。
武州秩父の在。加賀に行っていたことがある。
常右衛門の女房「すて」に岡惚れして言い寄る。
すてを手籠めにしようとして、常右衛門に現場を見られる。殺される。
すて 三十二,三歳。大黒屋常右衛門の女房。二度目の縁づきだった。
小料理屋で女中奉公をしていたが、四年前に常右衛門と一緒になった。
留五郎に惚れられ困り果てる。常右衛門の煮え切らない態度にやきもきする。が、常右衛門は律儀な商人で、仕合わせな境遇だった。
おくま 四十八歳。大黒屋の雇われ女。
留五郎嫌い、持ち前の気丈夫さで、留五郎に渡り合う。
幸八 岡っ引きの親分惣兵衛の子分。二七,八くらいで、団扇職人。
冬場は、横山町で、古着屋を営んでいる。
好奇心お強い男で、それが、事件解決に役立つ。
惣兵衛 松江町に住む岡っ引きの親分。子分は、幸八、権太、熊五郎
権太 岡っ引きの親分惣兵衛の子分。
熊五郎 岡っ引きの親分惣兵衛の子分。
六兵衛  甲州屋六兵衛。炭屋。
大黒屋常右衛門の碁打ち仲間だが、贋金造りの仲間でもあった。
雲岳  浄験寺の住職。大黒屋常右衛門や甲州屋六兵衛らと贋金造りをする。
泰雲 浄験寺の納所坊主
芳雲  浄験寺の納所小坊主。子供のため打ち首は免れ放免。
 

登場人物『逃亡』
源次(吉次) 二十五歳。牢に入りながら助けを得て脱獄。女にやさしいせいかもてる。お蝶にお秋。
お蝶 錺職人の一人娘。伝兵衛が親父、伝助は兄。源氏に惚れて道行きとなるが、岡っ引きの
梅三郎に知られて脅され言うなりになってしまう。騙されたことを知り隅田川に身を投げる。
伝兵衛 錺職人。昔女に騙されたことがあり人が変わる。今では息子の伝助と贋金造りを手伝っている。お蝶は一人娘
腹の据わった男で、源次とお蝶が出来たことに腹を立てるが、最期に父親の顔を見せる。
兵助 乱暴者だが話は分かる男。親父と贋金造りをする。二十四歳。梅三郎の前では松五郎と名乗る。
卯平 番小屋の番太郎。子供相手の飴屋になりながらも全うに生きようとする。
源次と同じくらいの年頃の息子を亡くしている。最期まで源次の味方になりかっこよく消えていく。
梅三郎  下谷の岡っ引き。その地位を利用して悪事を働く。囲い者のお米も亭主を島送りにし騙して自分の女にする。
同じ手でお蝶を手籠めにする。この話の中では一番の悪党と言える。 
勘八(金蔵)  源次とは小伝馬町の牢仲間。牢名主名や卯平の助けを借りて脱走。
源次につきまとうが逆に源次にはめられて殺される。
が、土左衛門になるところを加賀屋敷の侍、石川に助けられる。船宿「梅の屋」で働くとき、源次を見かける。
恨みがあり、大山を目指す。
お米(お仙) もとは科人の女房。梅三郎の口車に乗って夫が島流しの間に梅三郎になびく。
湯島天神下に料理屋「松葉屋」を開く女中にお八恵・お秋そしてお蝶が加わる。加賀屋敷の侍、石川がよく利用する。 
お秋  「松葉屋」の女中。加賀屋の六右衛門の世話のため派遣され、そこで源次と知り合う。
源次がどこまで本気か分からないが女房にすると云い、加賀屋を探らせる。お秋は本気で源次に尽くす。 
お八重  お秋、お蝶の同僚。「松葉屋」女中 
石川   加賀屋敷の侍。贋金造りの中心人物。「松葉屋」のお蝶に熱を上げる。
六右衛門  加賀屋の当主だが、贋金造りの主役。かなりの悪徳商人。
梅三郎を利用して源次を殺そうとする。梅三郎は伝助に殺させようとする。
治兵衛  加賀屋の番頭。六右衛門の仲間であり手下。 
甚兵衛  植木屋の辰巳屋甚兵衛。大山詣りの講元。加賀屋の六右衛門の手下 
富太(仙山)  根っからの女好き。最初の火事で逃げた先の回向院で女を襲うが源次に邪魔をされる。
仙山を名乗って御師に化けている偽坊主。
大山の山中でお秋を襲うが、逆に谷底に突き落とされる。 
丑松  梅三郎の子分。お蝶の居所を見つける。卯平の存在を発見、梅三郎に御注進。
屑屋に化けてお蝶の家に乗り込む。だが、源次の顔は知らない。 
熊五郎  梅三郎の子分。お蝶の男が源次であることを突き止め梅三郎に報告。 


●物語の共通性&登場人物の共通性

大雑把に登場人物の共通性を指摘したい。
岡っ引きの活躍。とりわけ子分の活躍【「鬼火の町」=幸太(親分:藤兵衛)・「大黒屋=幸八(親分:惣兵衛)」】
悪巧みの舞台が「寺」(「鬼火の町」=円行寺・「大黒屋」=浄験寺)で、納所坊主の登場という共通点がある。

だが、重大な勘違いをしていた。どちらも贋金造りが主題と思っていた。
「鬼火の町」は、大奥のスキャンダルとそれに関わる権力闘争が主題だった。
「大黒屋」は、贋金造り。贋金造りがキーワードの作品は「逃亡」(原題:江戸秘紋)があった。
あわてて「逃亡」を読み直してみた。

とんでもないことが起きた。

作品を時系列で並べると
逃亡」(原題:江戸秘紋):長編時代物【「信濃毎日新聞・夕刊」(大系社扱い)1958年(昭和33年)7月号)】
大黒屋」(彩色江戸切り絵図第一話):短編時代物【オール讀物』1964年(昭和39年)1月号~2月号】
大山詣で」(彩色江戸切り絵図第二話):短編時代物【オール讀物』1964年(昭和39年)3月号~4月号】
鬼火の町」:長編時代物【『潮』1965年(昭和40年)8月号~1966年(昭和41年)12月号
お気付きだろうが、「大山詣で」が追加されてる。
さらに、清張には「逃亡」と名のつく作品がもう一つある。
無宿人別帳の第四話が「逃亡」

無宿人別帳の「逃亡」作品発表時期(1957年(昭和32年)10月)で、一番古い。
原題が、江戸秘紋の「逃亡」作品発表時期(1958年(昭和33年)7月),※「逃亡」に改題された時期は不明
どちらにしろ、すでに無宿人別帳の「逃亡」が発表された後に、「江戸秘紋」が「逃亡」に改題されている。
なぜ改題されたのだろう?

●発表時期:1956年(昭和31年)7月号 「疑惑」(時代物)
●発表時期:1982年(昭和57年)2月号 「疑惑」(原題:昇る足音)
改題して同姓同名の作品が出来ることを承知で改題しているようだ。
疑問だ

逃亡」は、以前読んでいる。読み進むと思い出してきた。
はじめは、「大黒屋」だが後半は「大山詣で」だ。

急遽、今月(8月21日の更新)で一気に蛇足的研究紹介作品に取り上げる!

なぜ時系列に取り上げたのかは、シリーズ作品の『彩色江戸切り絵図』は『逃亡』(江戸秘紋)に通じているからだ。

それだけではない。「左の腕」(無宿人別帳は1957年(昭和32年)9月)も共通項がある。※「無宿人別帳」が書かれた時期が一番古い。
『逃亡』は『左の腕』が源流なのか混乱してくる(苦笑)
『左の腕』の卯助が飴売りなら、『逃亡』の卯平も飴売りになる。飴売りで『左の腕』を思い出した。
それだけではない。料理屋が出てくる『松葉屋』だ!
書き出しからこうだ!(『左の腕』書き出し
>深川西念寺横の料理屋松葉屋に、この一月ほど前から新しい女中が入った。まだ一七だったが、小柄でおさない顔をしている。
まるで『逃亡』のお蝶が松葉屋に顔を出す場面にしてもおかしくない。
なんと松葉屋には「おあき」も居るが、この女中「おあき」の姿こそ『逃亡』のお蝶。
登場人物が、銀次=源次・麻吉=梅三郎(どちらも岡っ引きで悪党)・熊五郎(上州の熊五郎・梅三郎の手下)
『左の腕』が源流と確信した。

話は、『逃亡』に戻さなければならない。
『逃亡』に登場する人物は悪人ばかり、主役の源次にしても誉められた生活はしていない。ただ根っからの悪人ではない。
女にはやさしい、だからもてる。
唯一と言ってよいのが、番太郎の卯平で一服の清涼剤。
問題は岡っ引きだ。
役目に忠実な奴もいれば、その立場を利用して悪事を働き身を肥やす輩もいる。
『逃亡』の梅三郎は最悪だ。『左の腕』の麻吉も同様
女はお蝶にしても、お秋にしても世話女房タイプでかいがいしく男に尽くす。
ただ、梅三郎の妾になったお米は、食わせ物である。

登場人物が大山へ集まる。それぞれの目的で...
大山詣で』である

御師(先達):●『逃亡』:仙山(富太)●『大山詣で』:天順
生臭坊主で女好き


場当たり的に書き続けてみたが、また根本的な疑問が湧いてきた。
清張は小説を書き始めた初期から『時代物』を多く物にしてきた。
最初の作品は
くるま宿(1951年12月)だ。1950年代にもかなりの数の作品を書いている。
1950年代初期の作品(時代物)を検索すると以下の通り
出てくる、出てくる。

1951年~1957年間の「時代物」作品一覧
1951年~1954年 1955年 1956年 1957年
くるま宿
(1951年12月) 
恋情
(原題=弧情)
(1955年1月) 
 
秀頼走路
(1956年1月)
佐渡流人行
(1957年1)
啾々吟
(原題=啾啾吟)
(1953年3月)

(原題=きず)
(1955年1月) 
破談異変
(1956年2月)
【小説日本芸譚】
(原題=日本芸譚)
(1957年1月~12月)

第一話『古田織部』

第二話『世阿弥』

第三話『千利休』

第四話『運慶』

(第五話)鳥羽僧正

第六話『小堀遠州』

第七話『写楽』

第八話『光悦』

(第九話)北斎

第十話『岩佐又兵衛』

第十一話『雪舟』」)

第十二話『止利仏師』
戦国権謀
(1953年4月)
武士くずれ
(1955年2月) 
●信玄軍記
(1956年3月~5月)
1.「
炎風」(658)
2.「
乱旗」(659)
3.「
陣火」(660) 
【小説日本芸譚】第一話『古田織部』
(1957年1月)
三位入道
(原題=行雲の涯て)
(1953年5月)
二代の殉死
(1955年4月)
【信玄軍記】第一話『炎風』
(1956年3月)
【小説日本芸譚】第二話『世阿弥』
(1957年2月)
英雄愚心
(1953年8月)
面貌
(1955年5月) 
【信玄軍記】第二話『乱旗』
(1956年4月)
【小説日本芸譚】第三話『千利休』
(1957年3月)
権妻
(1953年9月)
噂始末
(原題=上意討)
(1955年5月)
調略
(原題=戦国調略)
(1956年4月)
【小説日本芸譚】第四話『運慶』
(1957年4月)
贋札つくり
(1953年12月)
特技
(1955年5月)
軍師の境遇
(原題=黒田如水)
(1956年4月)
山中鹿之助
(1957年4月~)
奥羽の二人
(1954年4月)
山師
(原題=家康と山師)
(1955年6月)
【信玄軍記】第三話『陣火』
(1956年5月)
甲府在番
(1957年5月)
転変
(1954年5月) 
笛壺
(1955年6月)
野盗伝奇
(1956年5月17日~9月9日)
(【小説日本芸譚】第五話)鳥羽僧正
(1957年5月)
乱雲
(原題=武田信玄)
(1954年5月~1955年3月) 
白梅の香
(1955年6月)
ひとりの武将
(1956年6月)
     
【小説日本芸譚】第六話『小堀遠州』
(1957年6月)
酒井の刃傷
(別題=忠節)
(1954年9月) 
腹中の敵
(1955年8月)
増上寺刃傷
(1956年7月)
【小説日本芸譚】第七話『写楽』
(1957年7月)
二すじの道
(1954年10月) 
尊厳
(1955年9月)
五十四万石の嘘
(1956年8月)
【小説日本芸譚】第八話『光悦』
(1957年8月)
廃物
(原題=三河物語)
(1955年10月)
いびき
(1956年10月)
【無宿人別帳】第一話『町の島帰り』
(1957年9月)
柳生一族
(1955年10月)

(1956年11月)
(【小説日本芸譚】第九話)北斎(原題=葛飾北斎)
(1957年9月)
【大奥婦女記】
(1955年10月~1956年12月)

第一話『乳母将軍』

第二話『矢島の局の計算』

第三話『京から来た女』

第四話『予言僧』(1066)

第五話『献妻』(1067)

第六話『女と僧正と犬』

第七話『元禄女合戦』

第八話『転変』

第九話『絵島・生島』

第十話『ある寺社奉行の死』

第十一話『米の値段』

第十二話『天保の初もの』
脱出
(1956年12月)
【無宿人別帳】
(1957年9月~1958年8月)

第一話『町の島帰り』

第二話『海嘯』

第三話『おのれの顔』

第四話『逃亡』

第五話『俺は知らない』

第六話『夜の足音』

第七話『流人騒ぎ』

(第八話)抜け舟(未購入)
(改題して「流人騒ぎ」の後編となる)

第九話『赤猫』

第十話『左の腕』(1044)

(第十一話)なかま(未購入)
( 改題して「雨と川の音」の前編となる)

第十二話『雨と川の音』 
奉公人組
(1955年12月)
 
陰謀将軍
(1956年12)
群疑
(1957年10月)
  武将不信
(1956年12月)
【無宿人別帳】第二話『海嘯』
(1957年10月)
    【小説日本芸譚】第十話『岩佐又兵衛』
(1957年10月)
    怖妻の棺
(1957年10月)
    【無宿人別帳】第三話『おのれの顔』
(1957年11月)
    【小説日本芸譚】第十一話『雪舟』
(1957年11月)
    乱気
(1957年12月)
    【無宿人別帳】第四話『逃亡』
(1957年12月)
    【小説日本芸譚】第十二話『止利仏師』
(1957年12月)


シリーズ作品(時代物)
【オール讀物】
1964年(昭和39年)1月号~12月号
●13【彩色江戸切絵図】
【小説現代】
1967年(昭和42年)1月号~12月号
●14【紅刷り江戸噂】
【藝術新潮】
1957年(昭和32年)1月号~12月号
●15【小説日本芸譚】
(原題=日本芸譚
【新婦人】
1955年(昭和30年)10月~1956年12月
●16【大奥婦女記】
【オール讀物】
1957年(昭和32年)9月号~1958年8月号
●20
【無宿人別帳】
【オール讀物】
1965年(昭和40年)1月号~9月号
●21【私説・日本合戦譚】
【河出新書】
1956年(昭和31年)3月~5月号
●43
【信玄軍記】


これだけの作品が検索できた。


タイトルは、「鬼火の町」と「大黒屋」
だったが、内容は全く違ったものになった。何が徹底検証だ!

●サブタイトル●
『くるま宿』が清張作品の「時代物」の源流か?
源流は『無宿人別帳』と「逃亡」(原題:江戸秘紋)で大河となった!

サブタイトルで逃げたが、逃げ切れなかった。

個々の作品の類似性を比較してもきりが無い。
小説の全てに言えるのだろうが、主人公の醸し出す神秘性が読者を引きつける。
「時代物」では、主人公と脇を固める人物の魅力が決定的だ。
(例えば、『くるま宿』の吉兵衛・『左の腕』の卯助・『逃亡』の卯平・『鬼火の町』の川路三左衛門 )

書き手としての力不足というか、能力の無さを自覚することになった。
無理矢理で、中途半端だがここらでひとまず終わりにする。蛇足的結論へ。

もう一度再挑戦してみたいテーマだ

 
【蛇足的結論
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清張作品の「時代物」の源流は『くるま宿』
源流は『逃亡』(原題:江戸秘紋)や『鬼火の町』で本流になり
天保図録』『西海道談綺』で大河となった!!。

支流はシリーズ作品となって【大奥婦女記】【無宿人別帳】【紅刷り江戸噂』【彩色江戸切絵図】へと結実していった。




                                                               
2021年8月21日




2021年08月21日 素不徒破人
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