題名 | 大奥婦女記 第五話 献妻 | |
読み | オオオクフジョキトウボウ ダイ05ワ ケンサイ | |
原題/改題/副題/備考 | ●シリーズ名=大奥婦女記 ●全12話=全集(12話) 1.乳母将軍 2.矢島の局の計算 3.京から来た女 4.予言僧 5.献妻 6.女と僧正と犬 7.元禄女合戦 8.転変 9.絵島・生島 10.ある寺社奉行の死 11.米の値段 12.天保の初もの |
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本の題名 | 松本清張全集 29 逃亡・大奥婦女記■【蔵書No0014】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1973/06/20●初版 | |
価格 | 880 | |
発表雑誌/発表場所 | 「新婦人」 | |
作品発表 年月日 | 1955年(昭和30年)10月〜1956年(昭和31年)12月 | |
コードNo | 19551000-19561200 | |
書き出し | 綱吉は学問が好きであった。四書、五経、中庸、周易を学んだ。が、彼が一番得意だったのは、それを誰彼となく向かって講釈することであった。大名でも旗本でも僧侶でも相手を択ばなかった。経書の思想は修身道徳である。綱吉は、畏敬って謹聴している相手に向かって、むつかしい文字を読みきかせ、聖賢の道を諄々と説いた。いい気持ちであった。「有難き仕合せ」と相手はみな恐れ入って礼を云った。「まこと上様には当代の学者にて在します」と目の前で臆面もなく嘆称してみせる大名は少なくなかった。心の中で苦々しく思う者は無論いた。たとえば増上寺の詮応大僧正などは、「経書の講釈はその道の者でもなかなかにむつかしく、下調べに数部の書を調べ、先人の学説も参考とし、それでもなお腑に落ちぬところはいろいろ考案を要しまする。上様には日夜ご政事にご苦労遊ばされている上にかかるご辛労を重ねられる時は、万一ご病身となられてはとお案じ申しております。なにとぞご学問の儀は、ほどほどにお控え遊ばすように」と綱吉の母の桂昌院に忠告した。が、これは桂昌院の一喝を食った。 | |
作品分類 | 小説(短編・時代/シリーズ) | 9P×1000=9000 |
検索キーワード | 講釈.性格の分裂.成貞邸.冥加.猩々.瘧.俘囚.待女.能楽.舞.学問.強奪された妻 |