松本清張_大奥婦女記 第七話 元禄女合戦

題名 大奥婦女記 第七話 元禄女合戦
読み オオオクフジョキトウボウ ダイ07ワ ゲンロクオンナガッセン
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=大奥婦女記
●全12話=全集(12話)
 1.
乳母将軍
 2.
矢島の局の計算
 3.
京から来た女
 4.
予言僧
 5.
献妻
 6.
女と僧正と犬
 7.元禄女合戦
 8.転変
 9.
絵島・生島
10.
ある寺社奉行の死
11.
米の値段
12.
天保の初もの
本の題名 松本清張全集 29 逃亡・大奥婦女記【蔵書No0014】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1973/06/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「新婦人」
作品発表 年月日 1955年(昭和30年)10月〜1956年(昭和31年)12月
コードNo 19551000-19561200
書き出し 綱吉の夫人は京都の関白鷹司家の女で信子といった。綱吉がまだ将軍となる前の寛文四年の秋に、京から東海道を下って江戸の館林邸に輿入れしたのであった。「関東は気風の荒いところ、まだ東えびすの気質が残っているそうな」十六歳の彼女は、そう聞かされて心に怖れを抱きながら下向したのであった。お付女中万里小路は、彼女の慰め役であり、勇気づけ役であった。神田の館林家の上邸での新婚の生活を経て、夫が将軍となり、江戸城に入っての生活となると、彼女の起居する大奥の女中どもの作法の荒々しいのは、聞いた以上であった。大奥の行儀は、春日局が遺した風習である。それは戦国の遺風であり、万事が質素堅実であるが、少しも女らしい作法は無かった。京の高貴で、典雅な雰囲気の家庭に育った彼女は、まるで数百人の男の世界の中にただ一人棲む思いがした。
作品分類 小説(短編・時代/シリーズ) 9P×1000=9000
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