松本清張(1049)__いびき

題名 いびき
読み イビキ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 松本清張全集 36 地方紙を買う女・短編2【蔵書No0086】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通) 
初版&購入版.年月日 1973/2/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「オール讀物」
作品発表 年月日 1956年(昭和31年)10月号
コードNo 19561000-00000000
書き出し 上州無宿の小幡の仙太は賭博の上の争いから過って人を殺して、捕縛された。彼はその日から人知れず異常な恐怖に襲われた。仙太は六尺近い大男で、二十八の壮齢である。力も強ければ度胸もある。賭博は渡世であるが、その世界でも顔はよい方である。今更、処刑を恐れる男ではなかった。それにどうせこういう罪は死刑になるようなことはなく、せいぜい遠島くらいと量刑まで知っている。その男が何を恐れたか。鼾である。仙太は人一倍の鼾かきであった。十七,八の時まではそうではなかったが、二十を過ぎてから鼾をかくようになった。それが年齢とともに高くなって、二十四,五の頃になると、壮快な高鼾となった。「どうも兄哥の鼾は少々高すぎるぜ。お陰で昨夜は耳についてこっちは碌に眠れやしねえ」同じ部屋に同宿の者があると、きっと朝になってこういう抗議をうけた。実際、そういう連中は不眠のために眼が赤く血走っていた。
作品分類 小説(短編・時代) 13P×1000=13000
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