松本清張_小説日本芸譚(改題) 第二話 世阿弥

(原題=日本芸譚)

題名 小説日本芸譚 第二話 世阿弥
読み ショウセツニホンゲイタン ダイ02ワ ゼアミ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=小説日本芸譚
(原題=日本芸譚)
●全12話
 1.
古田織部
 2.世阿弥
 3.千利休
 4.
運慶〔(株)文藝春秋=全集26(第一話)(1973/03/20)〕
   
運慶〔(株)光文社=青春の彷徨〕
 5.
鳥羽僧正
 6.
小堀遠州
 7.
写楽
 8.本阿弥光悦
(光悦)
 9.葛飾北斎
(北斎)
10.
岩佐又兵衛
11.
雪舟
12.
止利仏師
●全集(全10話)
 1.
運慶
 2.世阿弥
 3.千利休
 4.
雪舟
 5.
古田織部
 6.
岩佐又兵衛
 7.
小堀遠州
 8.
光悦
 9.
写楽
10.
止利仏師
後記
本の題名 松本清張全集 26 火の縄 小説日本芸譚/私説・日本合戦譚【蔵書No0108】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1973/3/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「藝術新潮」
作品発表 年月日 1957年(昭和32年)2月号
コードNo 19570200-00000000
書き出し 世阿弥が、後小松天皇と前将軍足利義満の前で申楽を演じたのは、応永十五年三月十五日の夜であった。主上が義満の別邸、北山殿に行幸になったのは八日からであったが、十五日には、北山殿の南隣にあった崇賢門院にお渡りがあった。崇賢門院は主上の祖母に当たる。ここで申楽をご覧に入れたいと義満が申し出たのであった。この日は朝から雨が降っていたが、夕近くなると晴れ上がった。なま暖かい風が動き、遅咲きの桜の花弁が雨の名残の雫を重く吸って艶冶な風情となっていた。この時は、世阿弥が主演して七番つとめた。世阿弥は四十七歳で、己の技芸には自負もあり、脂の乗ったさかりであった。まして主上の前では初めての演舞であるから全力を尽くした。彼は若年のころから義満の寵童であっただけに顔も立派である。演技は見物の人々を今更のように感嘆させた。
作品分類 小説(短編・時代/シリーズ) 22P×1000=22000
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