題名 | 松本清張社会評論集 U ”黒い霧”は晴れたか(松川判決を傍聴して) |
読み | マツモトセイチョウシャカイヒョウロンシュウ 02 クロイキリ ハハレタカ(マツカワハンケツヲボウチョウシテ) |
原題/改題/副題/備考 | T 「かなしき家の長たち」 「汚職の中の女」 「霧の中の教科書」 「わが政治的直言」 「汚職日本の病根」 「日蓮と社会背景」 「「檄」と二・二六との近似」 「「示談」への疑惑」 「世事と憲法(憲法公布二十五周年記念京都府民の集いでの講演)」■講演■ 「改悪の道は悲惨へ続く(「生かそう憲法二十五周年のつどい」の講演)」■講演■ 「税金に異議あり(犠牲の公平の要求)」 「「仲介」者の立場について」 U 「”黒い霧”は晴れたか(松川判決を傍聴して)」 「事件と政治的ふんい気」 「裁判にゆらぐ人権」 「松川裁判と広津和郎」 「下山事件「自殺論」について」 「司法権の独立と政治(「平賀書簡」訴追委決定をめぐって)」 「カンか科学か(機密文書「下山事件捜査報告」を読んで)」 V 「ハノイはどう考えているか」 「北ベトナム古代文化の旅」 「ハノイ再訪」 |
本の題名 | 松本清張社会評論集■【蔵書No0178】 |
出版社 | (株)新日本出版社 |
本のサイズ | A5(普通) |
初版&購入版.年月日 | 1976/08/30●初版 |
価格 | 980 |
発表雑誌/発表場所 | 「週刊読書人」 |
作品発表 年月日 | 1961年(昭和36年)8月21日号 |
コードNo | 19610821-00000000 |
書き出し | 仙台の裁判所の法廷は蒸し暑かった。天井に四つの扇風機がゆるやかに回っている。このテンポに合わしたように、門田裁判長の判決理由の朗読も平板な調子だった。それにマイクの調子が悪い。声は聞き取りにくい。二時間にもわたる朗読なので、どうせあとから、判決要旨が印刷物となって配布されるからという気持ちもあってか、傍聴席も、弁護人席も、弛緩した空気が流れた。「被告人らはいずれも無罪」という主文のあとだから、緊張が解けている。ただ、検察官の席だけは、裁判長の読み上げる理由に聞き耳をたてていた。ところで、私は、この古めかしい荘重な建物のステンドグラスを通して聞こえる外の拍手と喊声と演説とにある種の思いをしていた。裁判長の声が象徴する平穏な裁判の進行と廷外の喊声とはドラマ的なものを構成していた。 |
作品分類 | 社会評論 |
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