題名 | 松本清張社会評論集 T 税金に異議あり(犠牲の公平の要求) |
読み | マツモトセイチョウシャカイヒョウロンシュウ 01 ゼイキンニイギアリ(ギセイノコウヘイノヨウキュウ) |
原題/改題/副題/備考 | T 「かなしき家の長たち」 「汚職の中の女」 「霧の中の教科書」 「わが政治的直言」 「汚職日本の病根」 「日蓮と社会背景」 「「檄」と二・二六との近似」 「「示談」への疑惑」 「世事と憲法(憲法公布二十五周年記念京都府民の集いでの講演)」■講演■ 「改悪の道は悲惨へ続く(「生かそう憲法二十五周年のつどい」の講演)」■講演■ 「税金に異議あり(犠牲の公平の要求)」 「「仲介」者の立場について」 U 「”黒い霧”は晴れたか(松川判決を傍聴して)」 「事件と政治的ふんい気」 「裁判にゆらぐ人権」 「松川裁判と広津和郎」 「下山事件「自殺論」について」 「司法権の独立と政治(「平賀書簡」訴追委決定をめぐって)」 「カンか科学か(機密文書「下山事件捜査報告」を読んで)」 V 「ハノイはどう考えているか」 「北ベトナム古代文化の旅」 「ハノイ再訪」 |
本の題名 | 松本清張社会評論集■【蔵書No0178】 |
出版社 | (株)新日本出版社 |
本のサイズ | A5(普通) |
初版&購入版.年月日 | 1976/08/30●初版 |
価格 | 980 |
発表雑誌/発表場所 | 「中央公論」 |
作品発表 年月日 | 1973年(昭和48年)3月号 |
コードNo | 19730300-00000000 |
書き出し | タクシーで家を出る。昨日まではやっていなかった道路工事がはじまっていてとうせんぼの標識が出ている。それが急に数がふえている。運転手は迂回の道をじぐざぐとたどりながら「年末がせまっているからな。予算を使い果たすためにやたらと工事をやりやがる」とぶつぶつ言う。毎年三月が近づくにつれ、だれもがもつ経験である。道路工事をするのは道路がよくなるのだからいいことである。が、年度末の予算を使い果たすためというのが気に喰わない。もらった予算が剰ったら返上するのがスジだが、そのスジを通すと新年度から予算が削られるから、消費が使命感となる。もし、本当に道路を直してくれる気があったら、もっと早く工事にとりかかってくれたろう。通行者には迷惑な感じすらする。役所の計画性のなさを感じるよりも、自分たちの税金がムダ使いされている象徴のように思う。 |
作品分類 | 社会評論 |
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