第七回清張マニア認定試験中級(第4回) 解答 |
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中級(20問)(試験時間30分)
問 | 問題 | 正解 |
問 1 | ●松本清張は、20歳代の頃、文学仲間がプロレタリア文芸雑誌『文芸戦線』『戦旗』 などを購読していたので、”アカ狩り”の小倉署に検挙され、十数日拘留された。何歳の時か。 1.20歳 (正解) 2.22歳 3.25歳 |
1 |
A | ||
問 2 | ●松本清張の30歳代の出来事であるが、間違いはどれか。 1.印刷所を退職して、自営に踏み切る。 (正解/28歳の時) 2.朝日新聞西部本社(九州支社が昇格)広告部意匠係常勤嘱託となる。 3.生活費を補うため、アルバイトとして、箒の仲買をはじめる。 |
1 |
B | ||
問 3 | ●松本清張は47歳の時、朝日新聞社を退社したが、当時の住まいはどこか。 1.東京都練馬区関町1−131 (正解/45歳で家族を呼び寄せる) 2.東京都練馬区上石神井1−682 3.東京都杉並区荻窪3-40-23 |
1 |
B | ||
問 4 | ●松本清張の小説で、題名に「城」の名が付いているものが数点あるが間違っているものはどれか。 1.「空の城」 2.「ガラスの城」 3.「瑠璃の城」 (正解/このような題名はない) |
3 |
A | ||
問 5 | ●松本清張の作品でシリーズ作品で無い題名はどれか。 1.「黒の様式」 2.「黒の図説」 3.「黒い樹海」 (正解/シリーズ作品ではない) |
3 |
A | ||
問 6 | ●松本清張の時代小説でシリーズ作品「彩色江戸切り絵図」の作品名でない作品はどれか。 1.「大山詣で」 2.「米の値段」 (正解/大奥婦女記) 3.「蔵の中」 |
2 |
C | ||
問 7 | ●松本清張の長編小説で「カジツノナイモリ」という題名があるが、正確に漢字で書くとどれか。 1.「花実のない森」 (正解) 2.「過日のない杜」 3.「夏日のない盛」 |
1 |
A | ||
問 8 | ●以下の表現は清張作品の単行本の帯に書かれた紹介文である。作品名の正しい記述はどれか。 【戦後の混乱期に巨財を築いた社長が、愛人を通して政界実力者に接近 −−地位と金と女。飽くなき欲望うずまく政財界の暗部を、時代を予見する作家の眼がとらえ、 興味つきない長篇に描く巨匠力作】 1.「生息分布」 (正解) 2.「影の地帯」 3.「金環食」 |
1 |
B | ||
問 9 | ●松本清張の小説「時間の習俗」の登場人物で以下の記述で正しいものはどれか。 1.鳥飼重太郎.峯岡周一.土居武夫 (正解) 2.三原紀一.佐原福太郎.石田芳夫 3.鳥飼重太郎.安田達郎.須貝新太郎 |
1 |
B | ||
問 10 | ●松本清張の小説、「或る『小倉日記』伝」は、喪失したとされる作家の『小倉日記』の 再現(採取)を試みる田上耕作を主人公とした作品であるが、その作家とは誰か。 1.菊池寛 2.森鴎外 (正解) 3.芥川龍之介 |
2 |
A | ||
問 11 | ●以下の記述は、松本清張の1950年代の作品であるが、発表時期が早い順位に並べてあるものは どれか。 1.@「或る『小倉日記』伝」 A「佐渡流人行」 B「坂道の家」 (正解) 2.@「火の記憶」(原題:記憶) A「二階」 B「権妻」 3.@「菊枕」 A「くるま宿」 B「二すじの道」 |
1 |
C | ||
問 12 | ●松本清張の小説で1970年代の作品で短編小説はどれか。 1.「内なる線影」 (正解) 2.「渦」 3.「信号」 |
1 |
B | ||
問 13 | ●以下は松本清張の短編小説の書き出しの文章である。正しい作品名はどれか。 >呉服屋というものは、どのような場末の街でも、必ず一つは小さくともあるものらしい。 >S区の銀行支店につとめ、外務係をしている川上克次の経験がそうだった。 >彼の受持区域というのは大通りから南側一帯で、商店街は貧弱だが、住宅街は奥がひろく、 >戦前の屋敷町に新住宅区と団地が接続している。 >川上の得意先は、商店よりも富裕な家庭が主だった。 >この辺の大きな住宅には社長や重役連が住んでいて、銀行にとってはなかなかの預金源になった。 >先方と顔馴染みになってくると、家庭の財政的な相談ごともひきうける。 >たとえば、奥さんがたの内証のへそくりも預かるのだった。 >川上は、銀行の小型車を運転して回るが、M通りを通るたび、小さな呉服屋が眼についていた。 >間口は二、三間ばかりで、その半分は陳列窓になっている。 >貧弱な陳列窓には、着物とか反物とか帯とかが飾れているが、あまり上等の品はなく、 >田舎町に見かける呉服屋と変わりなかった。 >出入口はいつも戸があいているが、ついぞ客が入っているのを見たことがない。 1.「遠い接近」 2.「六畳の生涯」 3.「書道教授」 2016年3月11日に訂正 「高台の家」から「書道教授」へ ※問題が誤り。解答の選択肢に正解がない。正解は「書道教授」、3.の選択肢を「書道教授」に訂正 |
? 3 |
A | ||
問 14 | ●松本清張の作品で「松本清張全集」(前期38巻)の月報に連載された作品はどれか。 1.「黒の回廊」 (正解) 2.「黒い福音」 3.「黒い画集」 |
1 |
A | ||
問 15 | ●松本清張の小説で、シリーズ作品「黒の様式」の中にない題名はどれか。 1.「内海の輪」 2.「死んだ馬」 3.「馬を売る女」 (正解/「黒の線刻画」) |
3 |
C | ||
問 16 | ●「週刊文春」で長期連載された【1971年(昭和46年)5月17日号〜1976年(昭和51年)5月6日号】 松本清張の長編時代小説はどれか。 1.「異変街道」 2.「天保図録」 3.「西海道談綺」 (正解/@〜D) |
3 |
B | ||
問 17 | ●松本清張の長編小説「花氷」の書き出しで正しいものはどれか。 1.赤坂の午後十一時ごろ、溜池の停留所から乃木坂に向かう通りをちょっと入ったところ。 この辺りは表通りほど灯りがかたまってなく、適当に暗く、適当に静かな明かりがある。 近くには一流の料亭街もあるし、キャバレーや、ナイトクラブ、高級ホテルもかたまっているし、 名の知れたレストランや、お座敷料理の家もある。 赤坂一帯のなんとなく高級な雰囲気を、この裏通りにも流している。 その中で「甚六」というすし屋は、いいネタと、一ゲンの客を断ることで、これも高級な雰囲気 をまとった店である。十一時ごろだと、まだすし屋にも派手な連中が来ていない。 ナイトクラブもバアも十二時前に店が終わるから、そのころになって客と一緒にどっと押しかけてくる。 腹が減っている頃合いだ。仕事の終わった解放感と、サービスする側がサービスをうける位置の 転倒で、女たちはよく食べる。客に連れられてくると、金の心配はない。 (正解) 2.午後二時三十分から三時までの東京駅の十二番線ホームは、贅沢で華やかな混雑が渦巻いている。 三時には伊東行きの「いで湯号」が出るのだが、周知のように、これは新婚組のために、 ロマンスカーが連結されている。その見送りのために、列車が出るまではいくつもの披露式場の 雰囲気が、このホームに重なりあい、ぶつかりあっている。 新婚組の方は、もう、さっぱりした旅行着に着替えているが、見送りの側は、モーニングだったり、 裾模様のもんつきだったりしていた。 この一カ所だけに、儀式めいたものが集まっていることは、見ようによっては、荘厳な滑稽さが 漂っている。 若宮四郎は、そのロマンスカーとは二両はなれた後部の普通車両に、退屈そうに座っていた。 今日は忙しくて、 昼飯を食い損ったから、駅売りのサンドウィッチを買ってきて頬張っていた。 3.その一年前、朝川昌子は女子大を卒業した。 一人で九州を旅行してみたいというのがかねての望みだったが、それが在学中には実現せずに、 学校を出てから初めてかなえられたのである。 それは、春から夏に移る時期だった。福岡に親戚があったので、そこを足がかりとして歩いた。 最初が阿蘇だった。熊本から立野駅までは退屈な眺めだったが、それを過ぎると、にわかに阿蘇の 高原がひろがった。噴火口を見て、その晩は、阿蘇の麓に泊まるつもりだった。 温泉は幾つもあったが、それはたいてい山麓の平原と渓谷に跨っていた。 昌子は、わざと寂しい中腹にある温泉宿を選んだ。そこは、宿が三件しかなかった。 一軒は近代的な大きなホテルだったが、彼女は、日本風の旅館にはいった。 一つはその旅館がひなびていて、小さかったからだし、そんな宿に泊まってみたいのが今度の旅の 計画だった。 |
1 |
C | ||
問 18 | ●松本清張の小説「草の径」(シリーズ作品)の説明で間違った記述はどれか。 1.「草の径」は、1990年代に書かれた最後のシリーズ作品である。 2.1989年6月11日から連作短篇「草の径」取材のため ヨーロッパ取材旅行。アイルランド、オランダ、オーストリア、ドイツを歴訪し、25日に帰国した。 3.「草の径」は、全十話で、『ネッカー川の影』.『死者の網膜犯人像』.『老公』などがある。 (正解) |
3 |
B | ||
問 19 | ●「日本の黒い霧」は全12話であるが、作品名で間違った記述はどれか。 1.下山総裁謀殺論(下山国鉄総裁謀殺論)/運命の「もく星」号(「もく星」号遭難事件) 2.推理・松川事件/朴烈大逆事件」 (正解) 3.征服者とダイヤモンド/画家と毒薬と硝煙(帝銀事件の謎) |
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B | ||
問 20 | ●松本清張は作品のあとがきで、以下のように記述している。 >『○○○○』をどういう意図で書いたか、という質問を、これまで私はたびたび人から受けた。 >これは、小説家の仕事として、ちょっと奇異な感じを読者に与えたかもしれない。 >だれもが一様にいうのは、松本は反米的な意図でこれを書いたのではないか、との言葉である。 >これは、占領中の不思議な事件は、何もかもアメリカ占領軍の謀略であるという一律の構成で >片づけているような印象を持たれているためらしい。 >そのほか、こういう書き方が「固有の意味の文学でもなければ単なる報告や評論でもない、 >何かその中間物めいた”ヌエ的”なしろもの」と非難する人もあった。 >これも、私という人間が小説家であるということから疑問を持たれたのであろう。 >私はこのシリーズを書くのに、最初から反米的な意識で試みたのでは少しもない。 >また、当初から「占領軍の謀略」というコンパスを用いて、すべての事件を分割したのでもない。 >そういう印象になったのは、それぞれの事件を追及してみて、帰納的にそういう >結果になったにずぎないのである。 『○○○○』の○○○○に当てはまる作品名はなにか。(4文字とは限らない) 1.昭和史発掘 2.日本の黒い霧」 (正解) 3.深層海流 |
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A |