清張作品の題名は「黒の...」とか「霧の旗」・「波の塔」など「の」が多く使われている。
ぼんやり題名の特徴などを考えていたとき、その特徴を整理してみようと思い立った。
まさに蛇足的考察である!
No002 | 03/12/18 | ●空・夕日・ガラス/「城」 |
「ガラスの城」が、 1962年(昭和37年)1月号〜1963年(昭和38年)6月号/(「若い女性」) 「夕日の城」が、1963年(昭和38年)1月号〜12月号/(「婦人公論」) 「空の城」が、1978年(昭和53年)1月号〜1978年(昭和53年)8月号/(「文藝春秋」) 「夕日の城」は「ガラスの城」が連載されているときに、新たな連載が始まっている。 「城」が砦とか、かこい、領土のような意味で使われているのなら、「ガラス」「夕日」「空」といづれも 壊れやすく、儚いものとして伝わってくる。 清張的題名として考えれば、どの小説でも、どの題でも問題なさそうである。 清張氏が講演で述べていたように、 ...これは、ほかの場所でも話したことですが、 たとえば、『波の塔』だとか『水の炎』だとかいうような題を出しておけば、 内容が推理小説であろうが、ロマン小説であろうがあるいは時代小説であろうが、 あと一ヵ月のほんとうの締切りまで時間がかせげるわけであります。... の典型なのだろうか? ただ、「ガラスの城」と「夕日の城」は女性誌の連載で「空の城」は『文藝春秋』である 内容的にも、連載時期からしても、「ガラスの城」と「夕日の城」は時間稼ぎの結果であろう。 「城」と言えば、「詩城の旅びと」と言うのもある。でもこれは違うようだ。 ●「天城越え」は城? 2003年12月18日記 |