題名 | 時間の習俗 | |
読み | ジカンノシュウゾク | |
原題/改題/副題/備考 | ||
本の題名 | 松本清張全集 1 点と線・時間の習俗■【蔵書No0022】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1971/04/20●初版 | |
価格 | 800 | |
発表雑誌/発表場所 | 「旅」 | |
作品発表 年月日 | 1961年(昭和36年)5月号〜1962年(昭和37年)11月号 | |
コードNo | 19610500-19621100 | |
書き出し | 和布刈神事 早鞆の潮薙ぎの藻に和布刈るかな 雲屏 その年の、旧暦元旦は二月七日に当たった。その前夜、午後十一時ごろから、門司市内のバスが臨時に動いて、しきりと、客を北西の方にある和布刈岬に運んだ。霙でも降りそうな寒い晩だった。バスは三十分かかって狭い海岸通りを走り、海峡へ少し突き出た岬で客を降ろしした。岬は関門海峡の九州側の突端である。狭い民家の細長いつながりは、途中で切れている。この辺の家は、昼間だと軒に若布などを干したりして、魚の臭いが強かった。バスは鳥居のそばで止まった。客はぞろぞろと鳥居をくぐってゆく。境内では数カ所に篝火が焚かれていた。寒い晩のことだし、篝火の周囲には群衆がいくつもの輪を描いていた。境内のすぐ前は、暗い海だった。対岸に灯があるが、これは下関側の壇ノ浦だった。 |
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作品分類 | 小説(長編) | 161P×1000=161000 |
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