松本清張_昭和史発掘 第十話 天理研究会事件

題名A 昭和史発掘 第十話 天理研究会事件
読み ショウワシハックツ ダイ10ワ テンリケンキュウカイジケン
原題/改題/副題/備考 【重復】〔(株)文藝春秋=昭和史発掘1〕
シリーズ名=昭和史発掘●全20話

 1.陸軍機密費問題〔昭和史発掘1〕
 2.石田検事の怪死〔昭和史発掘1〕
   
石田検事の怪死〔全集32〕
 3.
朴烈大逆事件〔昭和史発掘1〕
   
朴烈大逆事件〔全集32〕
 4.
芥川龍之介の死〔昭和史発掘2〕
   
芥川龍之介の死〔全集32〕
 5.
北原二等卒の直訴〔昭和史発掘2〕
   
北原二等卒の直訴〔全集32〕
 6.
三・十五共産党事件〔昭和史発掘2〕
   
三・十五共産党事件〔全集32〕
 7.
「満州某重大事件」〔昭和史発掘3〕
 8.
佐分利公使の怪死〔昭和史発掘3〕
   
佐分利公使の怪死〔全集32〕
 9.
潤一郎と春夫〔昭和史発掘3〕
   
潤一郎と春夫〔全集32〕
10.
天理研究会事件〔昭和史発掘4〕
   
天理研究会事件〔全集32〕
11.
『桜会』の野望〔昭和史発掘4〕
12.
五・十五事件〔昭和史発掘4〕
13.
スパイ”M”の謀略〔昭和史発掘5〕
   
スパイ”M”の謀略〔全集32〕
14.
小林多喜二の死〔昭和史発掘5〕
15.
京都大学の墓碑銘〔昭和史発掘6〕
16.
政治の妖雲・穏田の行者
〔対談:昭和史発掘1〕
17.
天皇機関説〔昭和史発掘6〕
18.
「お鯉」事件〔対談:昭和史発掘1〕
19.
永田鉄山刺殺(陸軍士官学校事件)
〔昭和史発掘6〕
20.二・二十六事件〔昭和史発掘7〜13〕
   1.
相沢事件軍閥の暗闘
   2.
相沢公判北、西田と青年将校運動
   3.
安藤大尉と山口大尉二月二十五日夜
   4.
襲撃「諸子ノ行動」
   5.
占拠と戒厳令奉勅命令崩壊
   6.
特設軍法会議秘密審理
   7.
判決終章
●全集(全9話)

1.
石田検事の怪死
2.
朴烈大逆事件
3.
芥川龍之介の死
4.
北原二等卒の直訴
5.
三・十五共産党事件
6.
佐分利公使の怪死
7.
潤一郎と春夫
8.天理研究会事件
9.スパイ”M”の謀略
本の題名 松本清張全集 32 昭和史発掘【蔵書No0121】
出版社 文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1974/07/05●2版
価格 1200
発表雑誌/発表場所 「週刊文春」
作品発表 年月日 1965年(昭和40年)10月10日号〜11月22日号
コードNo 19651010-19651122
書き出し 大正三年夏のことである。三十七,八歳くらいの男が、奈良県山辺郡丹波市長藤井という所に、五人の家族をつれて乞食のような姿で現れた。彼は大西愛治郎という名だった。いっしょにいるのは、彼の老母と、妻と、五歳と四歳の男の子二人、三歳の女の子一人だった。着のみ着のままで長い旅のあと、ここにたどりついたという恰好であった。ここは大西の生まれ故郷に近いので知った人間も少なくない。彼らは変わり果てた一家の帰郷に眼をみはった。「大西はんやないか。ひさしぶりやなア。一体、どねんしはったんや?」ときく者があった。「どうもこうもあらへん。天理教の布教師の免状を本部に取り上げられてしもてなあ。そいで、山口県からこないなかっこうで、汽車にもよう乗らんで戻ってきましてん」大西は、眼をしょぼしょぼさせて答えた。「そういえば、あんさんは、たしか上州や山口にいやはったそうやけど、えろう変わった姿になりはったな」「へえ、本部のほうでわてを破門しやはったよって行くところものうて、こないして皆をつれて戻ってきましてん」
作品分類 ノンフィクション(短編/シリーズ)
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