松本清張_昭和史発掘 第八話 佐分利公使の怪死

題名A 昭和史発掘 第八話 佐分利公使の怪死
読み ショウワシハックツ ダイ08ワ サブリコウシノカイシ
原題/改題/副題/備考 【重復】〔(株)文藝春秋=昭和史発掘1〕
シリーズ名=昭和史発掘●全20話

 1.陸軍機密費問題〔昭和史発掘1〕
 2.石田検事の怪死〔昭和史発掘1〕
   
石田検事の怪死〔全集32〕
 3.
朴烈大逆事件〔昭和史発掘1〕
   
朴烈大逆事件〔全集32〕
 4.
芥川龍之介の死〔昭和史発掘2〕
   
芥川龍之介の死〔全集32〕
 5.
北原二等卒の直訴〔昭和史発掘2〕
   
北原二等卒の直訴〔全集32〕
 6.
三・十五共産党事件〔昭和史発掘2〕
   
三・十五共産党事件〔全集32〕
 7.
「満州某重大事件」〔昭和史発掘3〕
 8.
佐分利公使の怪死〔昭和史発掘3〕
   
佐分利公使の怪死〔全集32〕
 9.
潤一郎と春夫〔昭和史発掘3〕
   
潤一郎と春夫〔全集32〕
10.
天理研究会事件〔昭和史発掘4〕
   
天理研究会事件〔全集32〕
11.
『桜会』の野望〔昭和史発掘4〕
12.
五・十五事件〔昭和史発掘4〕
13.
スパイ”M”の謀略〔昭和史発掘5〕
   
スパイ”M”の謀略〔全集32〕
14.
小林多喜二の死〔昭和史発掘5〕
15.
京都大学の墓碑銘〔昭和史発掘6〕
16.
政治の妖雲・穏田の行者
〔対談:昭和史発掘1〕
17.
天皇機関説〔昭和史発掘6〕
18.
「お鯉」事件〔対談:昭和史発掘1〕
19.
永田鉄山刺殺(陸軍士官学校事件)
〔昭和史発掘6〕
20.二・二十六事件〔昭和史発掘7〜13〕
   1.
相沢事件軍閥の暗闘
   2.
相沢公判北、西田と青年将校運動
   3.
安藤大尉と山口大尉二月二十五日夜
   4.
襲撃「諸子ノ行動」
   5.
占拠と戒厳令奉勅命令崩壊
   6.
特設軍法会議秘密審理
   7.
判決終章
●全集(全9話)

1.
石田検事の怪死
2.
朴烈大逆事件
3.
芥川龍之介の死
4.
北原二等卒の直訴
5.
三・十五共産党事件
6.佐分利公使の怪死
7.潤一郎と春夫
8.
天理研究会事件
9.
スパイ”M”の謀略
本の題名 松本清張全集 32 昭和史発掘【蔵書No0121】
出版社 文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1974/07/05●2版
価格 1200
発表雑誌/発表場所 「週刊文春」
作品発表 年月日 1965年(昭和40年)6月27日号〜8月2日号
コードNo 19650627-19640802
書き出し 昭和四年十一月二十八日の夜十二時近いときである。箱根宮ノ下にある富士屋ホテルの玄関に、雨の中を自動車が入ってきた。富士屋ホテルは客の八割までが外人で、日本人客も知名人が多い。事務員の磯崎専次が出てみると、車から降りたのは体格のいい五十前後の紳士だった。「いらっしゃいまし」事務員はていねいに頭を下げた。「車をどうもありがとう」と客はいったが、これは乗ってきた自動車がホテルのもので、彼は仙石原から、電話でよんだのである。客は、賜暇帰朝中の支那公使佐分利貞男だった。このホテルには前からなじみ客である。雨は夜に入ってから降りだしていた。佐分利の仕立てのいい洋服は濡れていた。靴も泥がついている。荷物は小さな風呂敷包み一つだけだった。「公使、ずいぶんお濡れになりましたね」磯崎は、早速、タオルをもって、そのネズミ色の服を拭いている。
作品分類 ノンフィクション(短編/シリーズ)
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