松本清張(1092)_絢爛たる流離 第七話 灯

〔(株)文藝春秋=全集1(1971/06/20):【絢爛たる流離】第七話〕

題名 絢爛たる流離 第七話 灯
読み ケンランタルリュリ ダイ07ワ ヒ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名(連作)=絢爛たる流離
●全12話=全集(全12話)
 1.
土俗玩具(1086)
 2.小町鼓 (1087)
 3.
百済の草 (1088)
 4.
走路 (1089)
 5.
雨の二階 (1090)
 6.
夕日の城 (1091)
 7.
 (1092)
 8.
切符 (1093)
 9.
代筆 (1094)
10.
安全率 (1095)
11.
陰影 (1096)
12.
消滅 (1097)
本の題名 松本清張全集 2 眼の壁・絢爛たる流離【蔵書No0021】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1971/06/20●初版
価格 800
発表雑誌/発表場所 「婦人公論」
作品発表 年月日 1963年(昭和38年)7月号
コードNo 19630700-00000000
書き出し 山辺澄子は、毎日、父親の経営する骨董店の店先にぼんやりと座っていた。父親は、そういう澄子の姿をなるべく見ないようにしていた。彼は娘の暗い翳にまつわられている。嫁入り前の娘と、離縁になって帰った娘との感じがまるで違っていた。今は崩れた「女」を感じていた。父親は忙しそうに外を飛び回った。彼は骨董の興味と金儲けとに没頭しはじめていた。彼はよく同業者を店に連れてきた。ほとんどが年輩者ばかりで、なかには七十ぐらいの老人もいた。彼らはちょっと見ただけでは職業に見当がつかなかった。自家用車かハイヤーをよく使っていた。これは骨董ものを運ぶためで、桐の四角い函や長い函などがものものしく鬱金の風呂敷に包まれていた。店先では彼らの仲間が集まって、今にも百万や二百万円は稼げそうな、景気のいいことばかりを言っていた。どこそこの旧家にはどういうものが残っているとか、売立てがあるとか、茶を飲みながら長話をした。
作品分類 小説(短編/連作) 15P×1000=20000
検索キーワード かつぎ屋・縁談・後添え・暗い女・出戻り・地震・血液型・新聞配達の少年・ガラス・血液型・死亡推定時間