松本清張_随筆 黒い手帖・推理小説の周辺/楽屋裏の話

題名 随筆 黒い手帖 推理小説の周辺/楽屋裏の話
読み ズイヒツ クロイテチョウ スイリショウセツノシュウヘン/ガクヤウラノハナイシ
原題/改題/副題/備考 ●「スリラー映画
   小説と映画
   ドラマは人間の拡大
   被害者の眼
   映画の特殊性
●「
楽屋裏の話
   紙の登攀
   図上旅行
   わたしの古典
   歴史小説
随筆 黒い手帖 推理小説の魅力
  ●「
推理小説の読者
  ●「
日本の推理小説
随筆 黒い手帖 推理小説の発想
  ●「
小説と素材
  ●「
創作ノート(一)
  ●「
創作ノート(二)
随筆 黒い手帖 現在の犯罪
  ●「
黒いノート
  ●「
『日本の黒い霧』について
  ●「
松川事件判決の瞬間
随筆 黒い手帖 二つの推論
  ●「
スチュワーデス殺し事件
  ●
「下山事件白書」の謎
随筆 黒い手帖 推理小説の周辺
  ●「スリラー映画
  
●「楽屋裏の話

随筆 黒い手帖 「あとがき 」
本の題名 随筆 黒い手帖【蔵書No0176】
出版社 中央公論社
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1961/09/30●13版1974/05/20
価格 680
発表雑誌/発表場所  
作品発表 年月日  
コードNo 19610930-00000000
書き出し 紙の登攀
昭和三十三年の九月の初め、僕は鹿島槍に途中まで登った。そういう羽目になったのは、『週刊朝日』に『黒い画集』を連載したとき、第一回より鹿島槍が出てくるからである。もっとも、北アルプスの山岳を舞台にしたのは、必ずしも僕の発意ではない。編集部の人たちと会合しているうちに、話がそうなったのである。「夏からはじまるのだから、北アルプスがいい、登山だから、北アに限るよ」評論家である登山家浦松佐美太郎氏は、僕の実力に関係なしに発言した。時の編集長扇谷正造氏が、「よし、それでゆこう」と裁定したから、たちまち決定した。僕は自信なげなうなずきをしなければならなかった。僕は千メートル以上の山に登ったことがない。蓼科に行ったとき、バスの窓から千メートルの標識を過ぎたのを見て、登山したような気持ちになったが、無論、自分の足を使っているわけではない。  
作品分類 随筆
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