〔(株)文藝春秋=全集30(1972/11/20)【日本の黒い霧】あとがきで『なぜ「日本の黒い霧」を書いたか』として収録〕
題名 | 随筆 黒い手帖 現在の犯罪/『日本の黒い霧』について | |
読み | ズイヒツ クロイテチョウ ゲンザイノハンザイ/『ニホンノクロイキリ』ツイテ | |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集34 日本の黒い霧〕 ●「黒いノート」 小松川女子高生殺し事件 新興宗教殺人事件 柏木の若妻殺し 貨車強殺事件 「目撃者」の眼 三鷹のピストル事件 筆跡鑑定の信憑性 偽装他殺事件 犯罪捜査の壁 動機無き殺人 贋造紙幣の話 ●「『日本の黒い霧』について」 はじめに 帝銀事件の疑問 下山事件の受益者 事件の戦略性 史家の方法を踏襲 指揮権発動の問題 朝鮮戦争と事件 ●「松川事件判決の瞬間」 判決の瞬間 門田判決の構成 蔭の演出者 松川判決の反響 残された問題 |
随筆 黒い手帖 推理小説の魅力 ●「推理小説の読者」 ●「日本の推理小説」 随筆 黒い手帖 推理小説の発想 ●「小説と素材」 ●「創作ノート(一)」 ●「創作ノート(二)」 随筆 黒い手帖 現在の犯罪 ●「黒いノート」 ●「『日本の黒い霧』について」 ●「松川事件判決の瞬間」 随筆 黒い手帖 二つの推論 ●「スチュワーデス殺し事件」 ●「下山事件白書」の謎」 随筆 黒い手帖 推理小説の周辺 ●「スリラー映画」 ●「楽屋裏の話」 随筆 黒い手帖 「あとがき 」 |
本の題名 | 随筆 黒い手帖■【蔵書No0176】 | |
出版社 | 中央公論社 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1961/09/30●13版1974/05/20 | |
価格 | 680 | |
発表雑誌/発表場所 | 「朝日ジャーナル」 | |
作品発表 年月日 | 1960年(昭和35年)12月4日号 | |
コードNo | 19601204-00000000 | |
書き出し | はじめに 『『日本の黒い霧』をどういう意図で書いたか、という質問を、これまで私はたびたび人から受けた。これは、小説家の仕事として、ちょっと奇異な感じを読者に与えたかもしれない。だれもが一様にいうのは、松本は反米的な意図でこれを書いたのではないか、との言葉である。これは、占領中の不思議な事件は、何もかもアメリカ占領軍の謀略であるという一律の構成で片づけているような印象を持たれているためらしい。そのほか、こういう書き方が「固有の意味の文学でもなければ単なる報告や評論でもない、何かその中間物めいた”ヌエ的”なしろもの」と非難する人もあった。これも、私という人間が小説家であるということから疑問を持たれたのであろう。私はこのシリーズを書くのに、最初から反米的な意識で試みたのでは少しもない。また、当初から「占領軍の謀略」というコンパスを用いて、すべての事件を分割したのでもない。そういう印象になったのは、それぞれの事件を追及してみて、帰納的にそういう結果になったにずぎないのである。 |
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作品分類 | 随筆 | |
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