松本清張(1035)_松本清張_贋札つくり

題名 贋札つくり
読み ガンサツツクリ
原題/改題/副題/備考 【重複】〔(株)講談社=増上寺刃傷(講談社文庫)〕
本の題名 松本清張全集 35 或る「小倉日記」伝・短編1【蔵書No0106】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1972/02/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「別冊文藝春秋」37号
作品発表 年月日 1953年(昭和28年)12月
コードNo 19531200-00000000
書き出し 明治二年の早春の或る夜、福岡藩権大参事小河愛四郎の許へ、もと勘定奉行をつとめ、今は隠居している山本一心がたずねてきた。一心は六十に近い老人だが、この頃は誰に会っても藩の財政の困窮していることを心配している。藩では諸経費を節減し、出費を抑えているが、なかなかそのような姑息なことでは藩財政の行詰まりは打開されそうもない。一心が、その夜、小河愛四郎に切り出した話はいつもの愚痴ではなく、重大な進言だった。彼はこういうことを云った。福岡藩は維新前後の難儀つづきで多額の出費が重なった上、更に奥羽出兵で莫大な費用を要した。それに、新政府が新しく発行した金札の信用を保つため、石高貸付と称して万石について二千両の正金を金札と引替えに差出せといって来て居り、その調達に難渋している。こういうようなことが重なって、近頃は藩の財はいよいよ枯渇した。ところが、財政で苦しんでいるのは当藩ばかりでなく、他藩も同じである。
作品分類 小説(短編・時代) ※明治時代だが「時代物」とする 12P×1000=12000
検索キーワード 偽金・廃藩置県・福岡藩・新政府・勘定奉行・出兵・権大参事・藩財政・弾正台・大伝馬町・斬刑・発狂