(原題=武田信玄)
題名 | 乱雲 | |
読み | ランウン | |
原題/改題/副題/備考 | (原題=武田信玄) | |
本の題名 | 乱雲■【蔵書No0023】 | |
出版社 | (株)桃源社 | |
本のサイズ | 新書 | |
初版&購入版.年月日 | 1980/07/15●初版 | |
価格 | 680 | |
発表雑誌/発表場所 | 「中学校コース」 | |
作品発表 年月日 | 1954年(昭和29年)4月号〜1955年(昭和30年)3月号 | |
コードNo | 19540400-19550300 | |
書き出し | 高原に秋が来ていた。天文十六年八月(旧暦)の半ばだったが、日が没すると冷気が湧いて皮膚をつつむ。この辺は秋が短く、冬がすぐづくのである。高原のこの村は浅間山の南山麓の裾だった。和名抄にあるから旧いものである。信濃国佐久郡の小沼の郷と云った。西へ二里ばかり行けば、小室(今の小諸)に出て千曲川の流れを見るのである。普通は眠ったように寂しい部落であった。時折、碓氷の峠越えをしてきた旅人が追分けの方から足早な姿を見せるか、その反対に歩いている旅人を見るかぐらいで、さしたる変化もなかった。流れる雲に、浅間の煙がうすくたちのぼり、高原に木賊が刈られるのもいつものことだった。が、ここ四五年は異なった。五年前から諏訪方面につづいていた動乱が、いよいよこの佐久地方にも逼ってきたのである。一口にいうと、甲州の武田信玄の手が、佐久、小県方面に伸びたのだ。 | |
作品分類 | 小説(長編・時代) | 230P×520=119600 |
検索キーワード | 武田信玄・志賀城・密告・野伏・立身出世・農民・姥の湯 | |
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