松本清張_二代の殉死

題名 二代の殉死
読み ニダイノジュンシ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 西郷札 傑作短編集(三)【蔵書No0198】
出版社 (株)新潮社
本のサイズ 文庫(新潮文庫)
初版&購入版.年月日 1965/11/25●35版1992/09/05
価格 350/古本 9(税5%込み)+送料340
発表雑誌/発表場所 「週刊朝日別冊」時代小説特集
作品発表 年月日 1955年(昭和30年)4月
コードNo 19550400-00000000
書き出し 慶安四年四月二十日の夜、大老堀田加賀守正盛が、その日の未明、寅の刻時分に他界した家光に殉じて、腹を割いて果てた。家光はその年の早春から病を得ていたが、一般にはかくしていた。世上には、取潰しにあった大名の家士など、食禄に離れた浪人共が、不平を抱いて彷徨している。将軍不例のことが洩れて、人心動揺につけ入って、思わぬ騒動が起きぬとも限らない。現に先年、家光死亡が誤り伝えられて、天草の乱が起こった程である。それで今度の病気も、極の内々の大名だけに知らされていたが、侍医の必死の看護もきかず桜の花が疾うに散って、吹上の庭池に菖蒲の花が開く卯月半ばを過ぎて、大漸となった。家光の臥床以来、片時も傍を離れずに看侍していた正盛は、病が篤くなってからは己の屋敷にも帰らず、夜も昼も枕元に詰めていた。
作品分類 小説(短編・時代) 23P×580=13340
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