(原題=行雲の涯て)
題名 | 三位入道 | |
読み | サンミニュウドウ | |
原題/改題/副題/備考 | (原題=行雲の涯て) Yahoo!辞書(大辞泉) ※こう‐うん〔カウ‐〕【行雲】 空を流れ行く雲。 ※三位(サンミと読むのが正解か?) 《「さんい」の連声(れんじょう)》 例:「因縁 (インネン) 」「雪隠 (セッチン) 」 1 位階の第三位。正三位と従三位。また、それに叙せられた人。 2 キリスト教で、父(神)と子(キリスト)と聖霊のこと。 |
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本の題名 | 奥羽の二人■【蔵書No0140】 | |
出版社 | (株)講談社 | |
本のサイズ | 文庫(講談社文庫) | |
初版&購入版.年月日 | 1986/11/15●23版2002/12/16 | |
価格 | 495+税(5%) | |
発表雑誌/発表場所 | 「オール讀物」 | |
作品発表 年月日 | 1953年(昭和28年)5月号 | |
コードNo | 19530500-00000000 | |
書き出し | 日向飫肥の伊東の軍勢は、炎天下に島津勢を追撃して行動していたが、照りつける暑熱に、みんな参っていた。先軍が破った敵をさらに追ってゆくだけの任務であったが、着ている重い鎧は灼け、顔は真赤に上気し、咽喉はからからに渇いていた。だから、木も草も、茹だったように、太陽に慴伏して動かない山野をぬけて、目の前に一筋の清流を見たとき、三千の軍兵は全く生き返ったように喚声をあげて喜んだ。「水だ」「水だ」争って、思うさま水を呑んだ。頭を川に突っ込んで冷やしたり、具足をはずして膝まで川の中に入って浸したりした。一寸でも二寸でも余計、皮膚を水に濡らそうというのである。この小休止の間を利用して、気早な者は裸になって川の中にとび込んだ。あッと思っていると、たちまち水沫をあげて泳ぎ廻った。 | |
作品分類 | 小説(短編・時代) | 29P×540=13050 |
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