松本清張_大奥婦女記 第十話 ある寺社奉行の死

題名 大奥婦女記 第十話 ある寺社奉行の死
読み オオオクフジョキトウボウ ダイ10ワ アルジシャブギョウノシ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=大奥婦女記
●全12話=全集(12話)
 1.乳母将軍
 2.
矢島の局の計算
 3.
京から来た女
 4.
予言僧
 5.
献妻
 6.
女と僧正と犬
 7.
元禄女合戦
 8.
転変
 9.
絵島・生島
10.ある寺社奉行の死
11.米の値段
12.
天保の初もの
本の題名 松本清張全集 29 逃亡・大奥婦女記【蔵書No0014】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1973/06/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「新婦人」
作品発表 年月日 1955年(昭和30年)10月〜1956年(昭和31年)12月
コードNo 19551000-19561200
書き出し 文政十二年十月下旬、脇坂淡路守安董が寺社奉行となった。寺社奉行というのは名の通り、社寺を総轄する役目だが、地位としては大切なところにあった。寺社奉行を勤めれば、次が若年寄り、次が老中、大老と出世するいわば官界の登竜門といわれていた。しかし脇坂淡路守の寺社奉行は、この年がはじめてではない。その前、文化十年に一度勤めたことがある。この時は谷中の延命院事件というのを徹底的に検挙して、坊主どもを慄え上らせた。この延命院事件というのは、住職の日当という日蓮宗の坊主が、多数の大奥女中の帰依を得ていて、遂には五十数名の女を籠絡した一件であった。大奥女中の行状は、そのころ眼に余るものがあったが、何分、相手が大奥であるから、歴代の寺社奉行が見て見ぬ振りをしていた。迂闊に手をつけたら己の失脚となる。それを、脇坂安董が暴いて裁いた。
作品分類 小説(短編・時代/シリーズ) 7P×1000=7000
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