松本清張_大奥婦女記 第六話 女と僧正と犬

題名 大奥婦女記 第六話 女と僧正と犬
読み オオオクフジョキトウボウ ダイ06ワ オンナトソウジョウトイヌ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=大奥婦女記
●全12話=全集(12話)
 1.
乳母将軍
 2.
矢島の局の計算
 3.
京から来た女
 4.
予言僧
 5.
献妻
 6.女と僧正と犬
 7.元禄女合戦
 8.
転変
 9.
絵島・生島
10.
ある寺社奉行の死
11.
米の値段
12.
天保の初もの
本の題名 松本清張全集 29 逃亡・大奥婦女記【蔵書No0014】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1973/06/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「新婦人」
作品発表 年月日 1955年(昭和30年)10月〜1956年(昭和31年)12月
コードNo 19551000-19561200
書き出し 綱吉には男の子がなかった。まだ将軍とならないで館林邸にいる頃、お伝の方が男子を出生したことがある。名を徳松と名づけたが五歳で死亡した。それからは二,三侍妾が懐妊したが、ことごとく流産した。育ったのは紀州家に輿入れした鶴姫という女だけである。「男の子が欲しい」綱吉もお伝の方も願っていたが、とりわけそれを希求したのは母の桂昌院であった。「和子をお生みなされ」と時にふれお伝の方に云ってみるのだが、こればかりは人力では及ばなかった。こう上は神仏に頼るほかはなかった。それにつけても思い出すのは、桂昌院がまだ京の八百屋の娘として幼かった頃、彼女を一目見て、ゆくゆくは天下の上にたつ母君となられようと予言し、その後も彼女の懐妊を見て男子といい、それも将軍家をつぐ方だと予言して的中した護国寺の亮賢のことである。「偉い僧−−−」という尊敬に、今さら彼女は彼を思った。
作品分類 小説(短編・時代/シリーズ) 9P×1000=9000
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