松本清張_大奥婦女記 第九話 絵島・生島

題名 大奥婦女記 第九話 絵島・生島
読み オオオクフジョキトウボウ ダイ09ワ エジマ・イクシマ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=大奥婦女記
●全12話=全集(12話)
 1.
乳母将軍
 2.
矢島の局の計算
 3.
京から来た女
 4.
予言僧
 5.
献妻
 6.
女と僧正と犬
 7.
元禄女合戦
 8.
転変
 9.絵島・生島
10.ある寺社奉行の死
11.
米の値段
12.
天保の初もの
本の題名 松本清張全集 29 逃亡・大奥婦女記【蔵書No0014】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1973/06/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「新婦人」
作品発表 年月日 1955年(昭和30年)10月〜1956年(昭和31年)12月
コードNo 19551000-19561200
書き出し 六代将軍の家宣は病気勝ちであったが、正徳二年九月に齢五十一で死んだ。どういうものか生まれた彼の子は二人とも亡くなり、無事に育ったのは鍋松という庶子だけであった。ようやく四歳になったばかりのこの幼児が将軍職を嗣いだ。家継である。幼い将軍の生みの母は、家宣の愛妾であった左京の方である。彼女は家宣の死後、習慣に従って髪を薙した。月光院といった。将軍の実母という立場は強い。家宣の御台所も月光院の前には存在が薄くなった。前将軍の正室であっても当代と血縁がないから地位が弱まるのも仕方がない。御台所はそのため悲しんで京都の実家に帰ると云い出したほどだった。それにくらべると、たとえ側妾であっても月光院は家継の母であるから大奥では実力第一となった。その上、家継は幼児であるのでしぜんと将軍の後見ということにもなった。仕置(政治)のことは前代からのお気に入りの側用人間部詮房が一切をとりはからった。
作品分類 小説(短編・時代/シリーズ) 17P×1000=17000
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