松本清張_小説日本芸譚(改題) 第一話 古田織部

(原題=日本芸譚)

題名 小説日本芸譚 第一話 古田織部
読み ショウセツニホンゲイタン ダイ01ワ フルタオリベ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=小説日本芸譚
(原題=日本芸譚)

●全12話
 1.古田織部
 2.世阿弥
 3.
千利休
 4.
運慶〔(株)文藝春秋=全集26(第一話)(1973/03/20)〕
   
運慶〔(株)光文社=青春の彷徨〕
 5.
鳥羽僧正
 6.
小堀遠州
 7.
写楽
 8.本阿弥光悦
(光悦)
 9.葛飾北斎
(北斎)
10.
岩佐又兵衛
11.
雪舟
12.
止利仏師
●全集(全10話)
 1.
運慶
 2.
世阿弥
 3.
千利休
 4.
雪舟
 5.古田織部
 6.岩佐又兵衛
 7.
小堀遠州
 8.
光悦
 9.
写楽
10.
止利仏師
後記
本の題名 松本清張全集 26 火の縄 小説日本芸譚/私説・日本合戦譚【蔵書No0108】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1973/03/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「藝術新潮」
作品発表 年月日 1957年(昭和32年)1月号
コードNo 19570100-00000000
書き出し 古田織部が、千利休の追放の報らせをきいたのは、その当夜の天正十九年二月十三日の晩である。愕きはあったが、不意のものではない、とうとう来たか、という感じであった。秀吉と利休との間は、その以前から険悪を伝えられていた。それについて、さまざまな雑音が織部の耳に入ってきていた。利休が雪踏履きの己の象を刻ませ、大徳寺山門の上にあげたのが不遜だと秀吉が恚っていることも一つである。彼の茶道具の周旋や目利きに私曲があるとの陰口が秀吉の耳に入って腹を立てさせている話も一つである。彼の女を秀吉が所望したのに、拒絶したため憎まれているという噂も同じであった。それらのことは、織部のみでなく、同じように利休について茶を習っている諸大名たちに逸早く知れ渡った。目先のきく大名は、もう利休から遠ざかりはじめていた。
作品分類 小説(短編・時代/シリーズ) 11P×1000=11000
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