松本清張_黒の様式 第三話 微笑の儀式

〔(株)文藝春秋=全集9(1971/12/20):【黒の様式】第三話〕

題名 黒の様式 第三話 微笑の儀式
読み クロノヨウシキ ダイ03ワ ビショウノギシキ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=黒の様式
●全6話
1.
歯止め
2.
犯罪広告
3.微笑の儀式
4.二つの声
5.弱気の虫
(弱気の蟲)
6.霧笛の町
(内海の輪)
●全集(7話)
1.
歯止め
2.
犯罪広告
3.微笑の儀式
4.二つの声
5.
弱気の蟲
6.
内海の輪
7.
死んだ馬《小説宝石》
本の題名 松本清張全集 9 黒の様式【蔵書No0087】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1971/12/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「週刊朝日」
作品発表 年月日 1967年(昭和42年)4月28日号〜6月30日号
コードNo 19670303-19670421
書き出し 春の終わりから夏の初めに移る季節だった。鳥沢良一郎は、奈良から橿原神宮方面行きの電車に座っていた。車窓に動く午前の明るい陽射しは彼の白髪をきらめかせた。彼は、その陽のぬくもりを肩に愉しみながら本を読んでいた。鳥沢良一郎博士は、ある大学の法医学教授を二年前に退職した。今では別の大学にときどき講義に行く以外、べつに忙しい仕事も持たない。いや、もう一つ、大学の講義以外に、警視庁の科学捜査研究所の嘱託という名で、十日に一回ぐらい、警視庁に話をしに行っているが、これは前に関係の深かった法務関係の人たちから特に頼まれたもので、いわば余生の片手間だった。鳥沢博士は教授のころ、裁判の鑑定をずいぶん頼まれた。彼は血液型の研究が専門で、その方面では世界的な学説を出している。鳥沢理論というのは、現在でも法医学に業績を固定させている。遺伝も彼の専門となっている。鑑定もそうした方面が多いが、もちろん、それだけに限定されたのではない。裁判鑑定はあらゆる分野のものを引き受けなければならなかった。
作品分類 小説(中編/シリーズ) 62P×1000=62000
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