第十回清張マニア認定試験初級(第7回) 解答

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初級(15問)(試験時間10分)



問題

以下の設問の文章が正しいものは○、間違っているものは×を付けなさい

 
問 1 松本清張は、60歳で妻を亡くし晩年再婚をした。

清張は、994年(平成4年)8月4日家族全員に看取られて死亡している。(妻より先に死亡)
×
問 2 松本清張の「おわかれ会」は、青山葬儀所で開かれ、千百余人の人々が別れを惜しんだ。

その通り。都内の青山葬儀場で「おわかれ会」が行われた。
 
   A 
問 3 松本清張は、講演会嫌いで、考古学関係の講演会以外は引き受けなかった。

特に講演会嫌いでは無かった。多方面で、幅広い演題で講演を行っている。
  ×
   A
問 4 松本清張は、自叙伝を書いた事は無いが、自叙伝的な作品とされる「暗線」を書き、
父親の出生の秘密が書かれている。


自叙伝は「
半生の記」がある。「暗線」も自叙伝的な作品とされているが、他にも「骨壺の風景
父系の指」などが自叙伝的作品と言われている。
  ×
   B
問 5 松本清張は、小説の題名に「小説帝銀事件」のように実際の事件を「小説○○事件」として発表した作品は、他に無い。

小説・三億円事件」「小説東京帝国大学」などがある。
題名に関する一考察の【ずばり!小説】で取り上げている。
  ×
   B
問 6 小説の「悲運の落手」は、将棋の名人戦の観戦記のような作品である。

悲運の落手」 ●第十期名人戦(1951年(昭和26年)3月-5月)
木村、升田の名人戦第一局は、東京高輪の「泉岳」で始まった。清張ならでは観戦記と言える。
 
   
問 7 松本清張のシリーズ作品である「隠花の飾り」は、すべて、原稿用紙30枚以内の短篇作品である。

清張はあとがきで以下のように述べている。
>この集に収めたのは、すべて三十枚の短篇である。
>三十枚という枠を雑誌社から決められると、とにかく身辺随筆のような、
>あるいは小話のような「軽い」ものが書かれる傾向がないでもない。
>三十枚でも、百枚にも当たる内容のものをと志向した。
>そのとおりになっているかどうか読者の判断に待つほかはない。(初出「小説新潮」)
 
   B
問 8 松本清張の作品の登場人物で、八木修蔵・今岡三郎・杉原忠良・村岡忠夫・芝垣多美子の名前を
上げれば、作品名は、「万葉翡翠」である。


正しい:【万葉翡翠】(影の車:第二話)
 
   C
問 9 「タイピスト・縹緻・高利貸し・不幸な結婚・猥談・処女・会計課・横領・アパート・完全犯罪」
をキーワードとする作品と言えば「鉢植えを買う女」である。

正しい:「鉢植えを買う女
 
   B
問 10 松本清張の作品で「北の火箭」「父系の指」「骨壺の風景」には、殺人事件は起きない。

北の火箭」(隠花の飾り:第三話)・父系の指」と骨壺の風景」は、自叙伝的作品とされる。
 
   B
問 11 松本清張の作品にしては、珍しい題名で「記念に」・「見送って」・「時間がない」・「一年半待て」などがある。

間違い:「記念に」と「見送って」と一年半待て」は、実際にある作品だが、
時間がない」の題名の作品は存在しない。
  ×
   C
問 12 松本清張は、軍隊に入隊したことがあるが、内地の配属で海外に出たことは無い。

間違い:【任務】・【遠い接近】など軍隊生活を描いた作品も有る。終戦は朝鮮で迎えている。
  ×
   B
問 13 宵の銀座、人出のただ中で美人に接吻し、洋品店のウインドーをたたきこわした男−−−
彼は堂々とそれをやってのけ、悠々と捕らえられた。
あたかも、捕らえられることが彼の目的であったかのように。

上記の記述から考えられる、小説の題名は「考える葉」である。

正しい:【考える葉単行本の腰巻きの記述
 
   
問 14 松本清張没後35周年で、最近未刊行短篇集【任務】が発売されたが
(2022/11/10●初版/中央公論新社)
「秘壺」「鮎返り」「危険な広告」「教えた誤字」等が収録されている。

間違い:秘壺」「鮎返り」「危険な広告は、正しいが、「教えた誤字」は収録されていない。
●蔵書
任務(松本清張未刊行短篇集
  ×
   C
問 15 松本清張の作品で、「湖畔の人」「箱根心中」は、1950年代の作品である。

正しい:「湖畔の人」(1954年)・「箱根心中」(
1956年)
 
   C


問題の難易度

問題作成者の評価
(簡単) 3問
(普通) 8問
(難題) 4問

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