〔(株)文藝春秋=全集9(1972/10/20):【彩色江戸切絵図】第一話〕
題名 | 彩色江戸切絵図 第一話 大黒屋 | |
読み | サイシキエドキリエズ ダイ01ワ ダイコクヤ | |
原題/改題/副題/備考 | ● シリーズ名=彩色江戸切絵図
●全6話=全集(6話) 1.大黒屋 2.大山詣で 3.山椒魚 4.三人の留守居役 5.蔵の中 6.女義太夫 |
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本の題名 | 松本清張全集 24 無宿人別帳・彩色江戸切絵図/紅刷り江戸噂■【蔵書No0134】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1972/10/20●初版 | |
価格 | 880 | |
発表雑誌/発表場所 | 「オール讀物」 | |
作品発表 年月日 | 1964年(昭和39年)1月号〜2月号 | |
コードNo | 19640100-19640200 | |
書き出し | 文久二年正月一五日の八ツ(午後二時)ごろのことだった。日本橋堀江町の通りを二十七,八くらいの職人風な男が歩いていた。この辺りは焼芋を売る店が多い。その匂いが寒い風に混じって流れていた。この焼芋屋は冬の間だけで、春になるとすべて団扇屋に早替わりする。役者の似顔絵の団扇も、この堀江町から売出されたものだ。秋風が立つと団扇が駄目になるので、団扇が焼芋屋に早替わりするわけである。また、この辺りには穀物問屋がならんでいる。職人がふと足を停めたのは、それほど大きくない穀物問屋の店から、三十一,二くらいの大きな男がふらりと出て来たからだった。その男は酒気をおびている。十五日というと、まだ正月気分が抜けずに振舞酒を出すところもあるから、これはふしぎではない。ただ、その職人が男に眼をつけたのは、酔った彼の人相がよくないのと、その男の出ていったあとで四十七,八ぐらいの雇女が塩を撒いていることだった。 | |
作品分類 | 小説(短編・時代/シリーズ) | 33P×1000=33000 |
検索キーワード | 文久2年・甲州屋・浄験寺・贋金・穀物問屋・炭屋・団扇・古着屋・堀江町・馬道・乞食橋・加賀・納所・岡っ引き・子分・三題噺 |