松本清張(1114)_死の枝(改題) 第十一話 土偶

(原題=十二の紐)

〔(株)文藝春秋=全集6(1971/01/20):【死の枝】第十一話〕

題名 死の枝 第十一話 土偶
読み シノエダ ダイ11ワ ドグウ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=死の枝
(原題=十二の紐)
●全11話=全集(11話)
 1.交通事故死亡1名 (1105)
 2.
偽狂人の犯罪 (1106)
 3.
家紋 (1107)
 4.
史疑 (1108)
 5.
年下の男 (1109)
 6.
古本 (1110)
 7.
ペルシアの測天儀 (1111)
 8.
不法建築 (1031)
 9.
入江の記憶 (1112)
10.
不在宴会 (1113)
11.土偶 (1114)
本の題名 松本清張全集 6 球形の荒野・死の枝【蔵書No0047】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1971/10/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「小説新潮」
作品発表 年月日 1967年(昭和42年)12月号
コードNo 19671200-00000000
書き出し 汽車の中は立っているだけがやっとだった。ほとんどが買出し客か米のヤミ商人だった。時村勇造と英子のように発車前から座っていないと、座席に腰を下ろせる状態ではなかった。それも十時間近く乗りつづけてきた。駅からやっと出たとき勇造は、まだ自分の身体でなかった。手枷足枷で閉じこめられたものが俄に解放されたら、こういう気持ちになるだろう。身体に感覚がなかった。立ちつづけも辛いが、座ったまま身動きできないというのも責苦である。駅前からは、今度は立ちづめのバスに乗った。まだタクシーはなかった。ハイヤーでもタクシーでもそこにあったらどんな高い料金でも出すところである。金はふんだんに持っていた。古いバスは長いこと傷んだ道路を走った。坂道にかかると、渓流が横手に見えるのだが、立っているのが精いっぱいでは窓からのぞくどころの算段ではなかった。バスも買出し客でいっぱいだった。目的地の温泉の町に降りたとき、もう一度人心地が戻るのに時間がかかった。
作品分類 小説(短編/シリーズ) 13P×1000=13000
検索キーワード 軍用品・廃品回収業・温泉地・東北・買い出し・農家の庭先・若い考古学者・発掘・偶然の殺人・ハンガリーの土偶