松本清張(1031)_死の枝(改題) 第八話 不法建築

(原題=十二の紐)

〔(株)文藝春秋=全集6(1971/01/20):【死の枝】第八話〕

題名 死の枝 第八話 不法建築
読み シノエダ ダイ08ワ フホウケンチク
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=死の枝
(原題=十二の紐)
●全11話=全集(11話)
 1.交通事故死亡1名
 2.
偽狂人の犯罪
 3.
家紋
 4.
史疑
 5.
年下の男
 6.
古本
 7.
ペルシアの測天儀
 8.
不法建築

 9.
入江の記憶
10.
不在宴会
11.土偶
本の題名 松本清張全集 6 球形の荒野・死の枝【蔵書No0047】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1971/10/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「小説新潮」
作品発表 年月日 1967年(昭和42年)9月号
コードNo 19670800-00000000
書き出し 東京R区役所の建築課監察係は、係長以下五人しかいなかった。監察係というのは、違反建築物を取り締まるところである。最近、地価の暴騰と人口の稠密で都内は違反建築物が増加している。殊に、面積に対して四割に建蔽率しか認めない地域では、それがひどく目立つ。緑地帯の環境保持も何もあったものではなかった。人家の多い下町では、キャバレー、料理屋、工場、百貨店などの違反建築が見られるが、R地区は以前から閑静な住宅地が多く、その大半が四割の建蔽率区域になっている。建築基準法は、用地地域の設定による地域の環境保持と併せて、建築物の防災上、衛生上の基準を定めている。ところが、最近は建売住宅なるものが増加してきた。わずかな土地に建築規制などまるで無視した建坪の家を建てる。ほとんどが総二階だ。そして隣との距離は一メートルもなく人間がやっと通れる程度である。ひどいのになると、棺桶が運び出せないという悲劇が起こっている。
作品分類 小説(短編/シリーズ) 12P×1000=12000
検索キーワード 建築課監察係・希望建設・陳情・違反建築・バラバラ事件・売春婦・病院・変態性欲