松本清張(1139)_隠花の飾り(改題) 第六話 百円硬貨

(原題=清張短編新集)

題名 隠花の飾り 第六話 百円硬貨
読み インカノカザリ ダイ06ワ ヒャクエンコウカ
原題/改題/副題/備考 【清張短編新集】第六話として発表
シリーズ名=隠花の飾り
(原題=清張短編新集) 
●全11話=隠花の飾り(11話)
 1.
足袋
 2.狗
(改題=愛犬)
 3.
北の火箭
 4.
見送って
 5.
誤訳
 6.百円硬貨
 7.お手玉
 8.
記念に
 9.
箱根初詣で
10.
再春
11.
遺墨
● .
あとがき
本の題名 隠花の飾り【蔵書No0150】
出版社 (株)新潮社
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1979/12/05●初版
価格 800
発表雑誌/発表場所 「小説新潮」
作品発表 年月日 1978年(昭和53年)7月号
コードNo 19780700-00000000
書き出し 男には妻子があった。村川伴子は十三歳上のその男−−−細田竜二というのが、彼とは四年越しの関係だった。伴子は、東京下町のA相互銀行支店に十年間つとめている。出納係になってからも七年が経っていた。人柄がよく、仕事を能率的にするので上司に気に入られていた。容貌もきれいなほうである。二十をすぎてから縁談がかなりあった。秋田県にいる両親からのもあり、こっちの知り合いのもあった。どれも気がすすまなかった。二十三のときにちょっとした恋愛をしたので、そのころの縁談は断った。その恋愛も深くすすまないうちに、相手の欠点が目に立って伴子のほうから交際を断った。二十五、六になると田舎の両親があせって東京を切りあげて帰ってくるようにとしきりに催促した。二十八、九になるとそれもなくなった。戻る意志のないこと、結婚は当分しないことを言ってやったからである。
作品分類 小説(短編/シリーズ) 14P×580=8120
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