松本清張(1140)_隠花の飾り(改題) 第八話 記念に

(原題=清張短編新集)

題名 隠花の飾り 第八話 記念に
読み インカノカザリ ダイ08ワ キネンニ
原題/改題/副題/備考 【清張短編新集】第八話として発表
シリーズ名=隠花の飾り
(原題=清張短編新集) 
●全11話=隠花の飾り(11話)
 1.
足袋
 2.狗
(改題=愛犬)
 3.
北の火箭
 4.
見送って
 5.
誤訳
 6.
百円硬貨
 7.
お手玉
 8.記念に
 9.箱根初詣で
10.
再春
11.
遺墨
● .
あとがき
本の題名 隠花の飾り【蔵書No0150】
出版社 (株)新潮社
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1979/12/05●初版
価格 800
発表雑誌/発表場所 「小説新潮」
作品発表 年月日 1978年(昭和53年)10月号
コードNo 19781000-00000000
書き出し 寺内良二は福井滝子のことをそれとなく両親へほのめかした。彼女はある鉄鋼会社の総務部に七年間つとめている。郷里は北陸で、両親は健在である。ただ、年齢が彼より四つ年上である。そこまではまだよかったが、彼女には離婚歴があって、その過去がひっかかって良二は両親と兄に正面きって彼女との結婚希望が言い出せなかった。良二の父は六十八歳で、会社の役員をしている。彼のぼんやりとした話を聞いただけでも不服な顔をした。母親ははじめから不安を見せた。数日後、良二は兄の家に呼ばれた。兄は大学の助教授だった。飯を食いにこいということだったが、ビールを飲みながら訊かれた。「おまえはその女とどの程度交渉があるのか?」十歳年上の兄は小さいときから良二に君臨していた。両親は自分らの口から言えないので、兄に事情の究明を頼んだのである。
作品分類 小説(短編/シリーズ) 18P×580=10440
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