松本清張_無宿人別帳 第七話 流人騒ぎ(改題)

(原題=抜け舟)

題名 無宿人別帳 第七話 流人騒ぎ
読み ムシュクニンベツチョウ ダイ07ワ ルニンサワギ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=無宿人別帳
(原題=抜け舟)
「抜け舟」が改題して「流人騒ぎ」の後編となる。
●全12話
 1.町の島帰り
 2.海嘯
 3.
おのれの顔
 4.
逃亡
 5.
俺は知らない
 6.
夜の足音
 
7.流人騒ぎ
 8.
抜け舟(未購入)
 9.
赤猫
10.
左の腕
11.
なかま(未購入)
12.
雨と川の音
●全集(全10話)
 1.町の島帰り
 2.海嘯
 3.
おのれの顔
 4.
逃亡
 5.
俺は知らない
 6.
夜の足音
 
7.流人騒ぎ
 8.
赤猫
 9.
左の腕
10.
雨と川の音
本の題名 松本清張全集 24 無宿人別帳・彩色江戸切絵図/紅刷り江戸噂【蔵書No0134】 
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1972/10/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「オール讀物」
作品発表 年月日 1958年(昭和33年)3月号
コードNo 19580300-00000000
書き出し 武州小金井村無宿の忠五郎が、賭場の出入りで人を傷害し、伊豆の八丈島に島流しになったのは、享和二年四月のことであった。忠五郎は二十日あまり、伝馬町の牢舎に入れられていたが、よいよ島送りとなる前日に牢屋見廻り与力に呼び出された。「忠五郎か、明日、八丈島に発船となる。島に着いたら、随分と神妙に勤めるがよいぞ」与力は諭すように云った。「有難う存じます」忠五郎は頭を下げた。面やつれはしているが、まだ二十二歳の若さであった。「神妙にしておれば、やがてご赦免の機会もある。早ければ、二年くらいで江戸の土を踏む者もある。そのほうはまだ若いから、それを愉しみにおとなしく勤めるがよい」「有り難う存じます」忠五郎は頭を地に下げた。この与力のほかに、もう一人の役人が帳面を持って立ち会っていた。牢屋敷物書き役で、書記の役目をしている。このとき、忠五郎の前に立ったのは、小柳惣十郎という男だった。面長で、眉が濃く、女に粉うような白い顔だった。彼も、まだ若かった。
作品分類 小説(短編・時代/シリーズ) 25P×1000=25000
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