松本清張_無宿人別帳 第五話 俺は知らない

題名 無宿人別帳 第五話 俺は知らない
読み ムシュクニンベツチョウ ダイ05ワ オレハシラナイ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=無宿人別帳
●全12話
 1.町の島帰り
 2.海嘯
 3.
おのれの顔
 4.
逃亡
 
5.俺は知らない
 6.
夜の足音
 7.
流人騒ぎ
 8.
抜け舟(未購入)
 9.
赤猫
10.
左の腕
11.
なかま(未購入)
12.
雨と川の音
●全集(全10話)
 1.町の島帰り
 2.海嘯
 3.
おのれの顔
 4.
逃亡
 
5.俺は知らない
 6.
夜の足音
 7.
流人騒ぎ
 8.
赤猫
 9.
左の腕
10.
雨と川の音
本の題名 松本清張全集 24 無宿人別帳・彩色江戸切絵図/紅刷り江戸噂【蔵書No0134】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1972/10/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「オール讀物」
作品発表 年月日 1958年(昭和33年)1月号
コードNo 19580100-00000000
書き出し 信州奈良井生れの銀助は懐に金が一文も無かった。このところ負けてばかりいる。最後の金は賭場で知り合いになった弥平次という男に借りたのだった。二,三日前である。銀助は下谷の瑞雲寺の賭場で裸になり、夜徹しの勝負と、惨めな結果に、早い朝の往来をぼんやり歩いていると、これも夜を明かしての帰りらしい弥平次にばったりと出遇った。「銀助じゃねえか」と弥平次の方から声をかけた。「顔色のよくねところを見ると、お手上げで尻尾を捲いたところだな」「図星だ、そういうおめいも、何処かの朝帰りか。景気が好さそうだぜ」銀助は弥平次をじろじろ見た。懐に金があるのと無いのとでは表情で分かった。弥平次は顔色も明るいし、風采も良かった。以前はこんな男ではないのだ。「うむ、ちっとばかり賭場が当たって来たのだ」と弥平次は薄笑いをしていった。
作品分類 小説(短編・時代/シリーズ) 16P×1000=16000
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