松本清張_無宿人別帳 第六話 夜の足音

題名 無宿人別帳 第六話 夜の足音
読み ムシュクニンベツチョウ ダイ06ワ ヨルノアシオト
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=無宿人別帳
●全12話
 1.町の島帰り
 2.海嘯
 3.
おのれの顔
 4.
逃亡
 5.
俺は知らない
 
6.夜の足音
 7.
流人騒ぎ
 8.
抜け舟(未購入)
 9.
赤猫
10.
左の腕
11.
なかま(未購入)
12.
雨と川の音
●全集(全10話)
 1.町の島帰り
 2.海嘯
 3.
おのれの顔
 4.
逃亡
 5.
俺は知らない
 
6.夜の足音
 7.
流人騒ぎ
 8.
赤猫
 9.
左の腕
10.
雨と川の音
本の題名 松本清張全集 24 無宿人別帳・彩色江戸切絵図/紅刷り江戸噂【蔵書No0134】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1972/10/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「オール讀物」
作品発表 年月日 1958年(昭和33年)2月号
コードNo 19580100-00000000
書き出し 浅草田原町の粂吉が、今戸の裏店に龍助を探しに行ったのは、正月の半分が過ぎ、今日は増上寺の山門開きがあるという日であった。路には寒い風が舞い立っていた。この辺に多い焼き物屋の間から、どぶ板を踏んで奥に入ると、粂吉は長屋の暗い戸口に立った。覗くと土間に蓆を敷いた老爺が桶を叩いていた。「ご免な。龍助は家に居るかえ?」粂吉に声をかけられて、老爺は桶を持ったまま彼を見上げた。「おめいさんは誰だね?」「うむ、やっぱりこの家か、およその見当はつけてきたが狂わねえもんだな。おれは田原町の粂吉といってお上の御用を聞いている者だ、龍助におれがちょっと面を見に来たといってくれ」老爺は鉢巻きをとって、蓆から立ち上がった。「こりゃ親分さんですか。龍助は今朝どこからか帰って来てまだ寝ているところですが、あいつが何か悪いことをしましたか?」「ゆうべ夜っぴいて塒に帰らねえところを見ると、あんまり賞めたことをしちゃいめえ」粂吉は云った。
作品分類 小説(短編・時代/シリーズ) 16P×1000=16000
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