松本清張_無宿人別帳 第三話 おのれの顔

題名 無宿人別帳 第三話 おのれの顔
読み ムシュクニンベツチョウ ダイ03ワ オノレノカオ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=無宿人別帳
備考=冒頭、〔坂部能登守勤役中風聞書写
    寛政十二申二月〕を引用
●全12話
 1.町の島帰り
 2.海嘯
 
3.おのれの顔
 4.
逃亡
 5.
俺は知らない
 6.
夜の足音
 7.
流人騒ぎ
 8.
抜け舟(未購入)
 9.
赤猫
10.
左の腕
11.
なかま(未購入)
12.
雨と川の音
●全集(全10話)
 1.町の島帰り
 2.海嘯
 
3.おのれの顔
 4.
逃亡
 5.
俺は知らない
 6.
夜の足音
 7.
流人騒ぎ
 8.
赤猫
 9.
左の腕
10.
雨と川の音
本の題名 松本清張全集 24 無宿人別帳・彩色江戸切絵図/紅刷り江戸噂【蔵書No0134】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1972/10/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「オール讀物」
作品発表 年月日 1957年(昭和32年)11月号
コードNo 19571100-00000000
書き出し 入牢の新入りは、たいてい日の暮れ方であった。牢屋同心が、誰々と生国と年齢をよみ上げて中鞘の潜り口から抛り込む。牢名主が、へい、有難うございます、と声をかけて受けるが、薄暗い中では顔つきもさだかにわからない。改めて見るのは夜が明けてからであった。二番役をしている能州無宿の喜蔵が、銀次という新入りの男の顔を知ったのは、そういう見知りかたであった。牢内の朝は早い、まだ暗い七ツ時(午前四時)には三番役が大きな声を張り上げる「詰ろ詰ろ羽目通り、つめろつめろ役人衆、牢人衆、詰の御番衆、つめ洗水をぶち込んではならぬぞや、詰ろ羽目通り詰ろ詰ろ夜が明ける。御役人衆、御牢人衆、御牢内の法度書ありありと見えてはならんぞや。詰の羽目通り、五器口前の御牢人さん方、上座の牢人さん方、下座の牢人衆、助番座れ座れ、目を覚まして借りようぞや。詰ろ詰ろ総役人衆、お江戸の鍵も、鞘戸の鍵も、ちんやからりと鳴ってはならぬぞや。詰ろ詰ろ羽目通り、つまりました、つまりました、夜が明けたア」
作品分類 小説(短編・時代/シリーズ) 15P×1000=15000
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