(原題=死者の眼の犯人像)
〔(株)文藝春秋=草の径(1991/09/30)で第三話として発表〕
題名 | 草の径 第三話 死者の網膜犯人像 | |
読み | クサノミチ ダイ03ワ シシャノモウマクハンニンゾウ | |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集66〕 | |
●シリーズ名=草の径 ●全8話 1.削除の復元 2.ネッカー川の影 3.死者の眼の犯人像(改題=死者の網膜犯人像) 4.「隠り人」日記抄 5.モーツアルトの伯楽 6.無限の渦巻文様(改題=呪術の渦巻文様) 7.老公 8.夜が怕い |
●草の径(7話) 1.老公 2.モーツアルトの伯楽 3.死者の網膜犯人像 4.ネッカー川の影 5.「隠り人」日記抄 6.呪術の渦巻文様 7.夜が怕い ※「削除の復元」が未収録 |
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本の題名 | 草の径■【蔵書No0039】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1991/08/01●3版1991/09/30 | |
価格 | 1300 | |
発表雑誌/発表場所 | 月刊「文藝春秋」 | |
作品発表 年月日 | 1990年(平成02年)5号 | |
コードNo | 19900500-00000000 | |
書き出し | はじめ随筆ふうに。江戸川乱歩の随筆集「幻影城」に「類別トリック集成」というのがある。乱歩が博渉した内外の、とくに外国の探偵小説の単行本や雑誌掲載の中から拾い集めたもので、戦前戦後にわたっている。その中に「網膜残像」という項目がある。「死の刹那に見た犯人の顔が、解剖すると網膜に残っていて、犯人推定の手がかりになる。こういう話は昔からあって、よく小説に使われたが、科学的には否定されていたところ、最近は肯定するような研究も発表されるに至った」乱歩が従来は「科学的には否定されていたところ、最近は肯定するような研究も発表されるに至った」と書いているが、どうだろうか。「最近」とは一九五三年頃の欧米をさしている。イプセンの戯曲「小さなエイヨルフ」は、ノルウェイのフィヨールドに面したアルメス家の別荘が舞台である。アルフレッド・アルメスと妻リータの間にはエイヨルフという九歳になる男の子がいる。この子は幼児のときテーブルから下に落ちて片足を傷つけ、いまも歩くのが不自由である。それというのが、両親が抱擁しているちょっとの目油断から幼児がテーブルのうえからフロアに転落したからだ。 | |
あらすじ&感想 | >科学的には否定されていたところ、最近は肯定するような研究も発表されるに至った」 >乱歩が従来は「科学的には否定されていたところ、最近は肯定するような研究も発表されるに至った」と書いているが、どうだろうか。 事実なのだろうか? 実際のところ、科学的には否定されているのではないだろうか? 脳死ほど撤回のきかない生物学的事象はないといえる。人が死ぬとニューロンもともに死ぬと長年考えられてきた。 |
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作品分類 | 小説(短編/シリーズ) | 21P×630=13230 |
検索キーワード | 殺人事件・市ヶ谷・第一発見者・後妻・ポメラニアン・網膜・残像・犬の顔・注射・ホルマリン液 |
登場人物 | |
山岸 好江 | 山岸重治の後妻。死体の第一発見者。細いが鼻梁が徹って、口もとがしまっている。眼もとの目袋は女の愛嬌を添えている。 額はやや広いが皺が見えない。目尻に小皺がすこしある(庄原係長の見立て)。三十九歳。安夫は義理の息子。 |
山岸 重治 | 妻は、好江で再婚。市ヶ谷に住む、近くに印刷工場。夫婦二人で住むには大きな二階屋に住んでいる。半年程度は息子夫婦と同居。犬を飼っている。 |
庄原捜査一課係長 | 現場に駆けつけた、捜査一課の係長 |
山岸 安夫 | 山岸重治の子供。以前同居して居たが、結婚して、今は市川市に住む。結婚後の同居期間は半年程度。好江と共謀して重治を殺したことが示唆されている。 |
Z教授 | R医科大学眼科教室教授。死者の網膜の残像再現技術開発に取り組んでいた。 |