題名 | 砂の器 | |
読み | スナノウツワ | |
原題/改題/副題/備考 | ||
本の題名 | 松本清張全集 5 砂の器■【蔵書No0046】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1971/09/20●初版 | |
価格 | 880 | |
発表雑誌/発表場所 | 「読売新聞・夕刊」 | |
作品発表 年月日 | 1960年(昭和35年)5月17日〜1961年(昭和36年)4月20日 | |
コードNo | 19600517-19610420 | |
書き出し | 第一章トリスバーの客 国電蒲田駅の近くだった。間口の狭いトリスバーが一軒、窓に灯を映していた。十一時過ぎの蒲田駅界隈は、普通の商店がほとんど戸を入れ、スズラン灯の灯りだけが残っている。これから少し先に行くと、食べもの屋の多い横丁になって、小さなバーが軒をならべているが、そのバーだけはぽつんと、そこから離れていた。場末のバーらしく、内部はお粗末だった。店にはいると、すぐにカウンターが長く伸びていて、申しわけ程度にボックスが二つ片隅に置かれてあった。だが、今は、そこにはだれも客は掛けてなく、カウンターの前に、サラリーマンらしい男が三人と、同じ社の事務員らしい女が一人、横に並んで肘を突いていた。客はこの店のなじみらしく、若いバーテンや店の女の子を前に、いっしょに話をはずませていた。レコードが絶えず鳴っていたが、ジャズや流行歌ばかりで、女の子たちは、ときどき、それに合わせて調子を取ったり、歌に口を合わせたりしていた。 | |
あらすじ&感想 | 小説を読んだ後、映画を見ました。 映画を見た後、再読。そして今回の再読。(30数年ぶり) 映画と小説が混在して、記憶に留まっていました。 再読の再読である。 今まであまり気にならなかったところが、なぜか気になった。 疑問 1.今西栄太郎の周りに関係者が現れすぎる(成瀬リエ子、宮田邦郎) 2.すべてを知っている宮田邦郎を逃がした(詰めが甘い) 3.紙吹雪の女の事件との関わり 4.妹のアパート経営(恵美子が引っ越す) 長編なので(点と線の4倍程度)登場人物は多彩だ。抽象的な登場の仕方ではなく、名前がある。(当然?) 名字だけの者が、あとで名前が出てくるパターンが多いようだ。反対もある。 吉村刑事...吉村宏 今西栄太郎の妹...お雪さん(雪?) 川野教授...川野英造 恵美子...三浦恵美子 前半は関川重雄を中心に、彼を怪しい人物として描く 後半から和賀英良が主役。彼の出世欲、権力志向が犯罪へと駆り立てる。動機は過去との決別。 あらすじは例によって手抜きです。( フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』) 進歩的文化人、改革の旗手集団、ヌーボー・グループのエセぶりを清張的視点で描写。 小説「砂の器」は、 東篠操編「日本方言地図」音韻分布図(金田一春彦作図) 実吉純一著『電気音響工学』 と言う二つの『事実』が基本になった小説である。 映画は、ハンセン氏病を病む本浦千代吉と秀夫親子の『情』を中心に描いている。ある意味別物である。 清張は1978年に、映画監督の野村芳太郎らと、映画・テレビの企画制作を目的とした 霧プロダクションを創立し、代表取締役に就任する。 さて、今回は ●○●○●○●○●○●○● 以前から重箱の隅をつつくように、全登場人物、全登場場所を挙げてみるのもおもしろいのでは と考えていました。 「点と線」で全登場人物、今回「砂の器」で全登場場所を試みました。小説の流れが読み取れるでしょうか? ※一応、全登場場所を挙げたつもりです。結構大変な作業でした、きっと漏れがあります。 一応と言うことでお許し下さい。 ●○●○●○●○●○●○● 国電蒲田駅:トリスバー 国電蒲田の操車場:殺人現場 羽後亀田:カメダ 茨城県水戸市××町××番地:橋本忠介(宮田邦郎の偽名)の住所) 渋谷 滝野川:今西警部の住所 大阪市浪速区恵比須町2−120:和賀英良の本籍(偽造された戸籍) 東京都大田区田園調布6−867:和賀英良の現住所 岡山県江見町××通り 国電一ツ橋:国立国語研究所 世田谷区豪徳寺:川野英造教授の住所 青山4丁目:前衛劇団の所在地 世田谷区粕谷町××番地:宮田邦郎の死体発見現場 駒込:宮田邦郎の住むアパート 志村坂上都電停留所:関川重雄が三浦恵美子に会いに行く 祖師ヶ谷大蔵:三浦恵美子の死体現場 目黒区柿ノ木坂1028番地:関川重雄の本籍住所 目黒区中目黒2103番地:関川重雄の住所 石川県江沼郡山中町××番地:山下忠太郎の住所 二本松市近くの××村:田所重善の出身地 麻布市兵衛町:田所重善の住所 千歳船橋:T無線の所在地 仁多町役場 大阪市浪速区区役所:和賀英良の戸籍調べ ●ざぁ〜と、こんな所です。無謀な試みでした。 ●登場人物は多岐にわたるが、フルネームのある人物を中心に取り上げた。 今西栄太郎:刑事。警視庁捜査一課 吉村宏:刑事。今西栄太郎を尊敬する。 黒崎警部:警視庁捜査一課一係長。捜査主任 今西芳子:今西栄太郎の妻 橋本忠介:宮田邦郎の偽名。茨城県水戸市ララ町ララ番地。 和賀英良:作曲家。ヌボー・グループ。三木謙一を殺す。田所佐知子は婚約者。本名は本浦秀夫 武部豊一郎:劇作家。ヌボー・グループ 関川重雄:評論家。ヌボー・グループ。27歳。三浦恵美子は愛人 片沢睦郎:画家。ヌボー・グループ 村上順子:歌手。和賀に作曲を依頼したい。 大村泰一:当代の碩学。もと大学の学長、古いリベラリスト。和賀のフィアンセの親戚 田所佐知子:和賀英良のフィアンセ。前大臣田所重喜の娘。新進女流彫刻家 田所重喜:前大臣。のちに農林大臣になる。田所佐知子の父。福島県選出 三浦恵美子:関川重雄の愛人 宮田邦郎:前衛劇団に所属する俳優。ベレー帽をかぶる。心臓麻痺で死亡?成瀬リエ子に好意 三木彰吉:殺された三木謙一の息子(養子)。雑貨商 三木謙一:和賀英良に殺される。元駐在所の巡査。女房の名はフミ 妹(お雪さん):今西栄太郎の妹。川口に住んでいる。小さなアパートを持っている。お雪さん 川野英造:大学教授。ベレー帽をかぶっている。自宅は世田谷区豪徳寺 成瀬リエ子:劇団の事務員。滝野川のアパートに住む。自殺。紙吹雪の女。25歳。和賀英良の愛人 桐原小十郎:算盤の老舗の当主。駐在所時代の三木謙一をよく知っている。 杉浦秋子:前衛劇団の主宰者。大女優 吉岡静枝:作家。40すぎ。関川重雄に媚びを売る。 上杉医師:上杉医院の医師。三浦恵美子の死を看取る。 マダム(田中):三浦恵美子の勤めていた銀座のバーのマダム。 中村トヨ:関川重雄の家の通いの家政婦。54歳 本浦千代吉:和賀英良の実の父親。ライ病(ハンセン氏病)を病む。流浪の旅へでる。 山下忠太郎:本浦千代吉の妻マサの親。マサは次女 田所市之介:伊勢の映画館館主。福島県出身。田所重喜の支持者 笹岡春男:押し売り。和賀英良の家に押し売りに行くが超音波で撃退される。 浜中省司:T無線技術研究所の技師 久保田貞四郎:東京ララ大学教授工学博士 山下:新聞記者、S新聞社。 岩城警察署署長:岩城警察署 淀川龍太:建築家。 川村一成:文明批評家。 浅尾芳夫:高名な批評家 笹村一郎:演出家 三田謙三:文明批評家。 村山:ある新聞社の学芸部員 広報課長:警視庁広報課長。今西栄太郎の元上司。 桑原:国立国語研究所、文部次官。 三成警察署署長:三成警察署 吉田技師:警視庁鑑識課の技師 岡田庄一:関川重雄の住む家の家主。中目黒316番地 山田正太郎:農機具販売商。51歳。関川重雄の本籍地に住む。関川重雄とは無関係 旅館の主人:伊勢の旅館。三木謙一が利用した旅館 澄子:旅館の女中 山本次郎:和賀英良の戸籍上の母ミキ子の父 「砂の器」には戸籍がよく登場する。 本浦千代吉 山下忠太郎 | | | | |−−−−−秀夫(長男)和賀英良 | | |−−−妙(たえ/長女・養子=庄治) | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−妻=マサ(山下忠太郎の次女) | | 妻 和賀英蔵 | |−−−−−和賀英良 | 妻=ミキ子(山本次郎の長女) 関川徹太郎 | |−−−−−関川重雄 | 妻=シゲ子 ●蛇足的疑問 映画「砂の器」の脚本は野村芳太郎、山田洋次となっているが、別の資料では橋本忍と山田洋次の共同脚本となっている。 映画は橋本プロダクションと松竹の作品らしいのだが...? 2008年03月11日 記(2024/06/04一部改) ※DVDの表記は脚本:橋本忍、山田洋次でした。(2008年7月13日) |
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小説・映画・テレビドラマ |
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作品分類 | 小説(長編) | 433P×1000=433000 |
検索キーワード | カメダ・亀嵩・ハンセン病・東北弁・方言・超音波・周波数・紙吹雪・前衛劇団・大臣・放浪・伊勢・映画 (伊勢・映画を追記) | |
【帯】奇怪な連続殺人の謎に挑戦する本格推理編 |
登場人物 | |
今西 栄太郎 | 刑事。警視庁捜査一課 |
吉村 宏 | 刑事。今西栄太郎を尊敬する。 |
黒崎警部 | 警視庁捜査一課一係長。捜査主任 |
今西 芳子 | 今西栄太郎の妻 |
橋本 忠介 | 宮田邦郎の偽名。茨城県水戸市××町××番地。 |
和賀 英良 | 作曲家。ヌーボー・グループ。三木謙一を殺す。田所佐知子は婚約者。本名は本浦秀夫 |
武部 豊一郎 | 劇作家。ヌーボー・グループ |
関川 重雄 | 評論家。ヌーボー・グループ。27歳。三浦恵美子は愛人 |
片沢 睦郎 | 画家。ヌーボー・グループ |
村上 順子 | 歌手。和賀に作曲を依頼したい。 |
大村 泰一 | 当代の碩学。もと大学の学長、古いリベラリスト。和賀のフィアンセの親戚 |
田所 佐知子 | 和賀英良のフィアンセ。前大臣田所重喜の娘。新進女流彫刻家 |
田所 重喜 | 前大臣。のちに農林大臣になる。田所佐知子の父。福島県選出 |
三浦 恵美子 | 関川重雄の愛人 |
宮田 邦郎 | 前衛劇団に所属する俳優。ベレー帽をかぶる。心臓麻痺で死亡?成瀬リエ子に好意 |
三木 彰吉 | 殺された三木謙一の息子(養子)。雑貨商 |
三木 謙一 | 和賀英良に殺される。元駐在所の巡査。女房の名はフミ |
妹(お雪さん) | 今西栄太郎の妹。川口に住んでいる。小さなアパートを持っている。お雪さん |
川野 英造 | 大学教授。ベレー帽をかぶっている。自宅は世田谷区豪徳寺 |
成瀬 リエ子 | 劇団の事務員。滝野川のアパートに住む。自殺。紙吹雪の女。25歳。和賀英良の愛人 |
桐原 小十郎 | 算盤の老舗の当主。駐在所時代の三木謙一をよく知っている。 |
杉浦 秋子 | 前衛劇団の主宰者。大女優 |
吉岡 静枝 | 作家。40すぎ。関川重雄に媚びを売る。 |
上杉医師 | 上杉医院の医師。三浦恵美子の死を看取る。 |
マダム(田中) | 三浦恵美子の勤めていた銀座のバーのマダム。 |
中村 トヨ | 関川重雄の家の通いの家政婦。54歳 |
本浦 千代吉 | 和賀英良の実の父親。ライ病(ハンセン氏病)を病む。流浪の旅へでる。 |
山下 忠太郎 | 本浦千代吉の妻マサの親。マサは次女 |
田所 市之介 | 伊勢の映画館館主。福島県出身。田所重喜の支持者 |
笹岡 春男 | 押し売り。和賀英良の家に押し売りに行くが超音波で撃退される。 |
浜中 省司 | T無線技術研究所の技師 |
久保田 貞四郎 | 東京××大学教授工学博士 |