松本清張_草の径 第八話 夜が怕い

〔(株)文藝春秋=草の径(1991/08/01):草の径【夜が怖い】第七話〕

題名 草の径 第八話 夜が怕い
読み クサノミチ ダイ08ワ ヨルガコワイ
原題/改題/副題/備考 【重複】〔(株)新潮社=宮部みゆき 戦い続けた男の素顔:松本清張傑作選〕
【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集66〕
●シリーズ名=草の径
●全8話
1.
削除の復元
2.ネッカー川の影
3.死者の眼の犯人像(
改題=死者の網膜犯人像
4.
「隠り人」日記抄
5.
モーツアルトの伯楽
6.無限の渦巻文様(
改題=呪術の渦巻文様
7.
老公
8.
夜が怕い
●草の径(7話)
1.
老公
2.
モーツアルトの伯楽
3.
死者の網膜犯人像
4.
ネッカー川の影
5.
「隠り人」日記抄
6.
呪術の渦巻文様
7.夜が怕い

※「
削除の復元」が未収録
本の題名 草の径【蔵書No0039】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1991/08/01●3版1991/09/30
価格 1300
発表雑誌/発表場所 月刊「文藝春秋」
作品発表 年月日 1991年(平成03年)2月号
コードNo 19910200-00000000
書き出し その総合病院では夜の宿直に医師若干名と看護婦数名を置いていた。医師の人数が書けないのは、夜なかにベットの呼鈴を押してゆっくりとやってきた看護婦に、先生に来てほしいと云っても、一度として顔を見せたことがないからである。医師は宿直室に一人なのか二人なのか、それとも三人なのかわからない。看護婦は当直の先生の数を言明しない。私は七十五になるが、胃潰瘍でこの病院の東病棟に二カ月前から入院している。胃潰瘍と医者はいうが、癌だと自分ではわかっている。十年前に胃の三分の二を除去したが、二年前からまた様子がおかしくなった。年寄りの癌は緩慢に進行する。それに近ごろは制癌に効くいい薬ができた。私は個室に入っている。入院を申し込んだとき、いいぐあいに個室が一つ空いていた。私は小企業を営々と経営してきて、今は長男に代を譲っているが、個室の費用ぐらいは出せる。
作品分類 小説(短編/シリーズ) 27P×630=17010
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