ひとり旅(完成登録:213

題名A ひとり旅
読み ヒトリタビ
原題/改題/副題/備考 【重複】〔(株)角川書店=延命の負債 (角川文庫)〕

宮部みゆきセレクション(戦い続けた男の素顔)松本清張傑作選
 1.「
 2.「
恩義の紐
 3.「
入江の記憶
 4.「
夜が怕い
 5.「
田舎医師
 6.「
父系の指
 7.「
流れの中に
 8.「
暗線
 9.「
ひとり旅
10.「
絵はがきの少女
11.「
河西電気出張所
12.「
泥炭地」  
本の題名 宮部みゆき 戦い続けた男の素顔:松本清張傑作選【蔵書No0224】
出版社 新潮社
本のサイズ B5普通
初版&購入版.年月日 2009/07/30●初版
価格 1680(本体1600円)/中古(590円+送料:250円)
発表雑誌/発表場所 「別冊文藝春秋」
作品発表 年月日 1954年(昭和29年)7月号
コードNo 19550900-00000000
書き出し 田部正一は早くから、遠い旅をしたいと思い、一種の憧れをもっていたが、貧乏でそんな余裕がなかった。出来ないと分かっていたから、憧れていたのだろう。小学校の時は地理が好きであった。何県の何町の人口はいくらで、産物はこれこれ、というような教科書の普通無味乾燥な文句も、その遠い、見も知らぬ町の風景や土地の生活まで空想できて楽しかった。九州に生まれ、そこから一歩も出たことのない少年の頃の田部は、地図の上に、例えば、五城目、鹿渡、能代などという東北の地名を見ると、寒風に吹きさらされた陰鬱な町なみや、北の涯につづく荒涼とした道など眼に泛び、その道をとぼとぼ歩いている自分の姿を想像して、うら淋しい思慕の情さえ起した。
作品分類 小説(短編)
検索キーワード 旅・九州・男女・死