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検索キーワードに見る清張作品の傾向と対策?

(その十七:記者)

清張作品の書き出し300文字前後からあぶり出すキーワード!
(登録キーワードも検索する)


ページの最後


推理小説としては、刑事や探偵が主人公で事件や謎を解いて解決することが一般的だ。
ただ清張の作品では、それが女性であったり、当事者の近親者や被害者の友人が事件に疑問を抱き、謎解きに
挑戦するパターンがいろいろある。
その中でも、「記者」は、「おあつらえむき」だろう。


疑惑:社会部の記者

黒い樹海:文化部の記者

生けるパスカル:美術雑誌の記者

風の視線:雑誌記者

死の発想:新聞記者

死の枝(史擬):学芸記者

迷走地図:国会記者会館(場所で登場)

投影:新聞記者

以上は書き出し300文字程度での検索である。
当ホームページの「
とにかく検索」で検索すると、上記以外に、以下の作品がヒットした。
溺れ谷・絵はがきの少女・眼の壁・金環食・美しき闘争・黄色い風土・地の指・霧の旗
「眼の壁」・「霧の旗」など検索前に思い出すことができた。それだけ有名だ。

記者と言えば、「新聞記者」と、かってに思い込んでいた。
上記のバライティーさに驚いた。記者という仕事の内容が多岐にわたっているのは
その所属部署でも違うだろう。一言で新聞記者と言っても社会部もあれば文芸部もあり
スポーツ担当もいるだろう。
雑誌記者と言っても雑誌の内容による。清張は意識的に書き分けているのだろう。

総じて、切れ者で正義感の強い男が登場している。が、
「明智小五郎」「金田一耕助」「コロンボ」「シャーロック・ホームズ」のような
スーパースターの登場で解決というわけではない。
ただ、女性が探偵役として登場する作品はあるが、女性が記者としての登場はない。

疑惑
黒い樹海
生けるパスカル
風の視線
死の発送:原題=渇いた配色
史擬
 死の枝 第四話
迷走地図(上)
投影


※ 【作家】と共通する:「生けるパスカル」・風の視線

※以下は、登録キーワード&【カバー】で「記者」が登場
溺れ谷」・「絵はがきの少女」・「眼の壁」・「金環食」・「美しき闘争」・「黄色い風土」・「地の指」・「霧の旗」・「詩と電話



2019年11月21日(2020年4月26日追記)

 



題名 「記者」
上段は登録検索キーワード 
 書き出し約300文字
●「疑惑 北陸・県庁所在地・保険金・国選弁護人・マスコミ報道・悪女 
十月の初めであった。北陸の秋は早くくるが、紅葉まではまだ間がある。越中と信濃とを分ける立山連峰のいちばん高い山頂に新しい雪がひろがっているのをT市から見ることができた。T市は県庁の所在地である。北陸日日新聞の社会部記者秋谷茂一は、私立総合病院に入院している親戚に者を見舞ったあと、五階の病棟からエレベーターで降りた。一階は広いロビーで、受付や薬局の窓口があり、長椅子が夥しくならぶ待合室になっていた。そこには薬をうけとる外来患者がいつもいっぱいに腰をかけていた。名前を呼ばれるまでの無聊の時間を、横に据えつけたテレビを見たりしていた。ロビーから玄関の出口に歩きかけた秋谷の太い黒縁眼鏡の奥にある瞳が、その待合室の長椅子の中ほどにいる白髪の頭にとまった。頸が長く、痩せた肩が特徴で、後ろから見ても弁護士の原山正雄とわかった。原山はうなだれて本を読んでいた。 
●「黒い樹海 姉は十一時すぎに帰ってきた。笠原祥子はアパートの表に自動車の止まる音を耳にし、それから靴音が堅いコンクリートの階段を上がってくるのを聞いて、姉は上機嫌なのだと思った。姉の信子はR新聞社に勤めている。文化部の記者として外を歩きまわっているから、帰りの時間は不規則だった。遅くなると、社の車で送られて戻ることが多い。姉の機嫌のよし悪しは、車のドアを閉める音の高低でもわかったし、次に、こつこつと三階まで響かせる足音の調子でも妹には判断できた。ドアを煽ってはいったときから、姉の顔は少し酔って上気していた。「ただ今。」声が普通より大きかった。「あら、飲んだの?」祥子の目に、姉は笑みかけ、いつもよりは乱暴に靴を脱いで、畳の上に上がった。「お食事は?」「ごめんなさい。すんじゃったわ。」その返事を、姉は後ろ向きになって外出着を脱ぎながら言った。 
●「生けるパスカル 画家の矢沢辰生は、美術雑誌記者の森禎治郎がいう外国の小説の話を、近来これほど身を入れて聞いたことはなかった。矢沢より十ぐらい若い森は、美術雑誌記者になる前は文学雑誌の編集志望だった。矢沢は小説の方面に不案内である。話は銀座裏の飲み屋の二階だった。それはイタリアのノーベル賞作家ルイジ・ピランデルロの小説で「死せるパスカル」というのである。何からその小説の話になったのか、矢沢はあとまで覚えている。長い間郷里に帰らなかった東北の出稼ぎ農民が殺人事件の被害者に間違えられているのを知って、おどろいて郷里に帰ったというのが発端だった。その出稼ぎ農民は三年間も妻や親戚などに便りを出さなかった「のんき者」だったが、たまたま妻がテレビ報道で、殺された身元不明の男の特徴が夫に似ているところから警察に届け出た、それが新聞に載って彼の帰郷となったのだった。 
●「風の視線 青森行き急行「おいらせ号」は、上野駅発二十三時で、列車はホームに入っていた。一等車の寝台で、作家の富永弘吉は、鉄道のマークが模様になっている浴衣に着替えて、小型角瓶を傾けていた。雑誌記者の角谷がその相手をしていたが、角谷の方は、まだ洋服のままだった。作家が落ち着いているのにくらべて、編集者の角谷はそわそわしていた。ウィスキーのグラスを口に運ぶのも、中腰の格好だった。どちらも酒のみで、そのほうでは気が合っている。角谷は腕時計を眺めては、通路を入ってくる乗客にちらちら眼をやっていた。「遅いな。」角谷が落ちつきのない眼でつぶやいた。「あと、何分だ?」作家は発車までの時間をきいた。「五分です。」「来るだろう。」と富永は平気でいる。半分白くなった髪を長く伸ばし、口をとがらしてグラスを舐めていた。眼の大きい人だった。その眼を、編集者に微笑わせて、「かわいそうに新婚旅行もできなくて、ここに駆けつけるというのだ。少しぐらいゆっくりしていても文句は言えない。」「そりゃそうですが、」角谷はそわそわしていた。 
●「死の発送:原題=渇いた配色  岡瀬正平が七年の刑を終えて出所した。世間は彼の名前をまだ忘れていなかった。彼はかつてN省の官吏であった。公金五億円を費消し、当時、国会の問題になったくらい社会を騒がせたものだった。そのころ二十五歳だった岡瀬正平も、釈放されて出て来たときは三十二歳になっていた。まだ風の寒い早春である。岡瀬正平は、刑務所の門前まで迎えに来た叔父の岡瀬栄次郎に伴われ、都内中野区新井薬師の近くにあるその自宅に落ちついた。叔父は雑貨商であった。数社の新聞記者が岡瀬宅に押しかけていった。なにしろ、弱冠二十五歳で当時の金で五億円使い込んだのだから、岡瀬正平というと、七年経った今でも、十分にニュース価値があった。岡瀬正平は笑顔で新聞記者団と会った。当時はまだ童顔だった彼も、今はさすがに顔が瘠せ、顎が尖り、老けて見えた。「あなたの今の心境はどうですか?」新聞記者は訊いた。「大へん申しわけないと思っています」岡瀬正平は頭を下げた。
●「死の枝 第四話 史疑  新井白石の著作「史疑」が現存していると伝えられた最初は、ある新聞社の学芸記者が北陸一帯をほかの取材で歩いて東京に帰ったときだった。この話は、はじめその学芸記者がよく出入りする某大学の助教授のもとに届けられた。その助教授は容易に信じなかったが、だんだん、その記者から話を聞いてみると、まんざら嘘とも思えないようになってきた。所蔵家は、いま福井県の田舎にいるが、元加賀藩の藩儒の子孫だという。名前は宇津原平助といい、もう六十七の老人である。変わり者で、二十年前に家族全部をその家から追い出したあと、今では独り暮らしである。老妻はほかの土地に住んでいる子供たちの世話をうけ、ほとんど親子の往来もないという。家には先祖から伝わる古文書や古記録がおびただしく積んである。宇津原平助という老人は一種の蔵書狂で、その所有の書物を他人に貸さないばかりか、閲覧も許さない。それこそ守銭奴が土中に埋めた壺の金貨をときどきのぞいては愉しむのに似ているというのである。
●「迷走地図(上)  観光バスが来た。「みなさま。ここは千代田区永田町一丁目でございます。あそこに見える白亜の大殿堂は、ご存知の国会議事堂でございます。昭和十一年に新しく建築され、建坪は約一万二千五百平方メートル、延べ面積は約五万二千五百平方メートル、高さ約二十一メートル、中央塔の高さは約六十五メートルでございます。正面向かって左が衆議院、左が参議院でございます。只今、国会は開会中でございます」マイクの声につれてガイド嬢の白い手套の先が動く。バスは国会議事堂前庭地区の横にとまっていた。「衆議院の横手に見えますのが国会内局、衆議院議員面会所、道路をはさんだ左側が衆議院事務局、その南隣が国会記者会館。木立の繁りで見えませんが、そのずっと左手に総理府がございます。真向いが首相官邸でございます。
●「投影 都落ち.地方紙.記者.瀬戸内海.社長.市政.市長派.助役派.土木課.港湾課.市議.課長.妻 
太市は東京から都落ちした。今まで勤めていた新聞社を、部長と喧嘩して辞めてしまったのだ。ほかの新聞社に行くのも気がさして、辞めてしまったら、新聞記者ぐらい潰しのきかないものはない、とはじめてわかった。もう東京にいるのも嫌であった。「おれ、田舎に行くよ。」と言ったら、頼子は、そう、と言って反対もしなかった。社からもらった退職金のある間に、瀬戸内海のSという都市に移ってきた。別に知人があるわけではない。地図を見たら、海の傍で、好きな釣りができるし、なんとなく住みよさそうだったからだ。しかし、退職金も少なくなると、頼子は心細がってきた。「ねえ、どうするの?」と頼子は言うが、こういう土地に来た一種の虚脱感があって、見えすいた生活の行き詰まりも切実にせまってこない。うん、うんと生返事しながら、釣道具をかついで出ていった。  
● 「溺れ谷」  三流経済雑誌・記者・トリ屋・亜細亜製糖・映画スター・政界・砂糖業界・農林省・汚職・東京地検  
早春の美しい朝、東京世田谷区上野毛にある山田千江子の家に青年が一人訊ねてきた。「竜田香具子さんはご在宅でしょうか?」女中に渡した名刺には「政経路線」編集部次長、大屋圭造としてある。背の高い男で、色は浅黒いが、大きな目が光を湛えていた。英国製の生地で仕立てた洋服を着ているから、ネクタイも、靴も、それに相当して贅沢だった。女中が、はい、と言ったのは、世間では山田千江子よりも滝田香具子の方が通っているからである。戦前の映画ファンなら、この名前を忘れることはあるまい。近代的な役柄で売り出し、数数の主演映画を撮ってきたスターである。今ではときどきテレビに脇役として出演し、往年のオールドファンを懐かしがらせている。訪問者の青年は、こぢんまりとした応接間に通された。洋間だが、一応、華やかな気分に装いがなされている。小さな調度一つ見ても、気の利いた工夫があった。だが、気をつけてみると、それがあまり高価な品でないことが分かる。つまり、豪華な意匠が凝らされてあるからである。 
●「絵はがきの少女」   絵はがき・富士・新聞記者・静岡・岡山・松山・柳井・自殺・甲州・忘れ形見
少年のころ、小谷亮介は、絵はがきをあつめるのが好きだった。父は官吏だったから出張することが多く、亮介のために各地から絵はがきを送ってきた。のみならず、叔父も、従兄も、亮介に送ってくれた。従兄は京都の学校に入っていたので、京の舞妓や大原女などを寄越した。奈良、吉野、飛騨あたりに旅行したといっては、その地方の絵はがきを送った。考えてみると、従兄のものが一番多かったようである。絵はがきは亮介の本箱の抽出しに一ぱいになる位に集まった。北海道のも、九州のも含まれていた。亮介は、退屈すると、抽出しの中に積み重なった絵はがきを取り出し、未知の風物と遊んだ。 
●「眼の壁」  昭和電業・手形詐欺・湯河原・パクリ屋・新興右翼・新聞記者・死亡時期・精神病院・薬品・ベレー帽の男・競馬 
六時を過ぎても、課長は席にもどってこなかった。専務の部屋に一時間前に行ったきりである。専務は営業部長をかねていたが、部屋はこの会計課とは別室になっていた。窓から射す光線は弱くなり、空には黄昏の蒼さが妙に澄んでいる。室内の照明は夜のものになろうとしていた。十人ばかりの課員は机の上に帳簿をひろげているが、それはたんに眺めているにすぎない。五時の定時をすぎて、ほかの課は二三人の影があるだけだった。この会計課のみが島のように取り残されて灯がついているのだが、どの顔も怠惰しかない。次長の萩崎竜雄は、これは課長の用事はもっと長くかかるな、と思った。それで課員たちの方へ、「課長は遅くなるようだから、もうしまいにしようか」と言った。待っていたように、皆は生気をとりもどして片づけはじめた。 
●「金環食」  新聞記者・GHQ・アメリカ占領軍・北海道礼文島・観測地点・勝利国
 石内は、上野の坂を登った。初夏に近い強い陽が、地面に突き刺している。葉の茂った木陰で、人が憩んでいたが、どの人間も疲れたように手脚を投げ出していた。リュックサックや肩掛鞄が、大事そうにそばに置いてあった。ほとんどが食料なのだ。昭和二十三年五月だった。石内は、科学博物館のほうへ歩いた。近ごろ、ようやく、社では自動車を出すようになったが、それでも、今日のような不急の取材のときは、電車でとぼとぼ来るほかなかった。石内が、科学博物館の建物の近くに来たとき、今日の日食報告会の議場になっている、裏側の建物の方に人がぞろぞろ曲がって行くのが見えた。年輩者が多かったが、どの肩にも、弁当を詰めた鞄が下がっていた。石内は辺りを見回したが、他社の者の顔はあまり見当たらなかった。今日の日食報告会が地味な内容なので、他社ではあまり取材欲を唆らなかったらしい。
●「美しき闘争」   離婚・週刊誌記者・女性の自立・女流作家・熱海温泉街・伊豆・桃色ルポ・奥湯河原
井沢恵子は門を出た。この辺の路は暗い。小さな家が多かったが、それでも住宅街だった。外灯がまばらに路を照らしている。恵子はタクシーの走っている通りへ向かって脚を大きく運んでいた。もう、バスは終わっているだろう。賑やかな通りに出るまで、まだかなりの距離があった。風が冷たかった。その冷たさが熱した頬にこころよい。わずか紙一枚の手続きだった。いや、、判コを捺すことだけで米村恵子に変わったのだ。実に何でもない瞬間だった。この手続きのために、なんと一年間、苦しんできたのだ。泪は出なかった。まだ怒りが胸にたぎっている。たった十五分前までは夫だった木村和夫と姑のミネ子に、引返して怒鳴りたくなる。大きな声で腹の底から罵倒したかった。が、彼女はその離婚届に判を捺したとき、「長らくお世話になりました」と、冷静に両人に挨拶できた。理性に勝った動作だった。その冷静さが今になって腹が立ってくる。 
●「霧の旗」    老女殺し・弁護士・弁護料・雑誌記者・レストラン経営者の愛人・職業野球(プロ野球)・左利き・バー「海草」・リヨン
柳田桐子は、朝十時に神田の旅館を出た。もっと早く出たかったが、人の話では、有名な弁護士さんは、そう早く事務所に出勤しないだろうということで、十時になるのを待っていたのだ。大塚欽三というのが、桐子が九州から目当てにしてきた弁護士の名であった。刑事事件にかけては一流だということは、二十歳で、会社のタイピストをしている桐子が知ろうはずはなく、その事件が突然、彼女の生活を襲って以来、さまざまな人の話を聞いているうちに覚えたことである。桐子は一昨日の晩に北九州のK市を発ち、昨夜おそく東京に着いた。神田のその宿にまっすぐに行ったのは、前に中学校の修学旅行のとき、団体で泊まったことがあり、そういう宿なら何となく安心だという気がしたからだ。それから、学生の団体客を泊めるような旅館なら、料金も安いに違いないというつもりもあった。 
●「詩と電話」  電話交換手・新聞社・転勤・人吉市・通信局・記者溜・警察・盗聴・漏洩・スクープ・詩集・朝霧・協定・停戦・将棋 
陰鬱な長雨が終わると、急に強い光線の、眩しい初夏になった。調査部の梅木欽一は部長に呼ばれて、今度の異動で通信部に移らないかと云われた。「通信部から君を返して貰い度といって来ている。身体もよくなったし、久しぶりに出ていってはどうだね」梅木は一年前に胸を悪くして長く休んでいたが、癒くなってから出社して来ても、病後というので暇な部署で遊ばしてもらっていた。「H通信局の村田君がよそに行くので、あすこが空くのだ。どうだ、一年くらい田舎暮らしもいいぜ」と、にやにやした。梅木はそれもいいな、と思ったのでその場で承知した。家族の無い気軽さだった。彼は調査室に戻って、H市というのはどんな所かと思って、本を調べてみた。(H市。人口三万八千。日本三大急流の一つK川の中流の北岸に発達した旧城下町。市の西端の城址は五万石須貝侯の居城であった。市の産業は林業と果実。また材木の集散地。この附近から乗って下流八キロに亘る舟行はK川下りとして有名。夏の鮎釣りと秋の紅葉時の渓谷美は独特である。人情醇朴、山間の城下町の気品と情趣が残っている) 
●「黄色い風土」    新聞社・熱海・キャバレー・錦ヶ浦・溺死・偽ドル・旧日本軍・沈丁花の女・北海道・婦人問題評論家
【カバー】
午後三時東京発伊東行きの「いでゆ号」には、新婚旅行列車という異名の通り、若い男女の花やかな甘い色彩が渦巻いていた。その中でただひとり、ぽつねんと孤独をかこっていた雑誌
記者若宮四郎は、発車まぎわに駆けつけた一組の新郎新婦に目を惹かれた。翌日、熱海錦ヶ浦の断崖下から一人の若い男の死体が上がったが、その連れの女は失踪していた−−−それは、あの”気がかりな”新婚夫婦にまぎれもなかった。
●「地の指」  【カバー】
深夜の路上に毒殺死体で発見された元新聞
記者島田は、「 」と記す不思議な紙片を上着に持っていた。タクシー運転手三上は、その死体を目撃した折りの客の挙動に不審を抱き、客が都厚生局職員山中であることを突き止めた。そして山中はまた、不二野精神病院事務長飯田、都議岩村ともつながりを持つことを知った。(三人の関係に何かがある!)と三上は思った。病院経営をめぐる黒い霧と謎の連続殺人事件を描く、巨匠の長編社会派推理。

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