松本清張_生けるパスカル(【黒の図説】第八話として発表)

(株)光文社=生けるパスカル(1974/04/01):【生けるパスカル】〕

題名 生けるパスカル
読み イケルパスカル
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=黒の図説
●全12話
 1.
速力の告発
 2.
分離の時間
 3.
鴎外の碑
 4.
書道教授
 5.
六畳の生涯〔(株)文藝春秋=松本清張全集10〕
   
六畳の生涯〔(株)光文社=生けるパスカル〕
 6.
梅雨と西洋風呂
 7.
聞かなかった場所
 8.生けるパスカル
 9.遠い接近
10.
山の骨
11.
表象詩人
12.
高台の家
(株)光文社=生けるパスカル
生けるパスカル
本の題名 生けるパスカル【蔵書No0042】
出版社 (株)光文社
本のサイズ 新書(KAPPANOVELS)
初版&購入版.年月日 1971/09/25●36版1974/04/01
価格 600
発表雑誌/発表場所 「週刊朝日」
作品発表 年月日 1971年(昭和46年)5月7日号〜7月30日号
書き出し 画家の矢沢辰生は、美術雑誌記者の森禎治郎がいう外国の小説の話を、近来これほど身を入れて聞いたことはなかった。矢沢より十ぐらい若い森は、美術雑誌記者になる前は文学雑誌の編集志望だった。矢沢は小説の方面に不案内である。話は銀座裏の飲み屋の二階だった。それはイタリアのノーベル賞作家ルイジ・ピランデルロの小説で「死せるパスカル」というのである。何からその小説の話になったのか、矢沢はあとまで覚えている。長い間郷里に帰らなかった東北の出稼ぎ農民が殺人事件の被害者に間違えられているのを知って、おどろいて郷里に帰ったというのが発端だった。その出稼ぎ農民は三年間も妻や親戚などに便りを出さなかった「のんき者」だったが、たまたま妻がテレビ報道で、殺された身元不明の男の特徴が夫に似ているところから警察に届け出た、それが新聞に載って彼の帰郷となったのだった。
作品分類 小説(中編/シリーズ) 132P×630=83160
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