松本清張(1053)_投影

題名 投影
読み トウエイ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 危険な斜面【蔵書No0203】
出版社 (株)光文社
本のサイズ 新書(KAPPANOVELS)
初版&購入版.年月日 1973/07/20●初版
価格 270/古本830=(490+送料340)
発表雑誌/発表場所 「講談倶楽部」
作品発表 年月日 1957年(昭和32年)7月号
コードNo 19570200-00000000
書き出し 太市は東京から都落ちした。今まで勤めていた新聞社を、部長と喧嘩して辞めてしまったのだ。ほかの新聞社に行くのも気がさして、辞めてしまったら、新聞記者ぐらい潰しのきかないものはない、とはじめてわかった。もう東京にいるのも嫌であった。「おれ、田舎に行くよ。」と言ったら、頼子は、そう、と言って反対もしなかった。社からもらった退職金のある間に、瀬戸内海のSという都市に移ってきた。別に知人があるわけではない。地図を見たら、海の傍で、好きな釣りができるし、なんとなく住みよさそうだったからだ。しかし、退職金も少なくなると、頼子は心細がってきた。「ねえ、どうするの?」と頼子は言うが、こういう土地に来た一種の虚脱感があって、見えすいた生活の行き詰まりも切実にせまってこない。うん、うんと生返事しながら、釣道具をかついで出ていった。
作品分類 小説(短編) 69P×570=39330
検索キーワード 都落ち.地方紙.記者.瀬戸内海.社長.市政.市長派.助役派.土木課.港湾課.市議.課長.妻