その
 

虚・実

その

清張作品の題名は「黒の...」とか「霧の旗」・「波の塔」など「の」が多く使われている。

ぼんやり題名の特徴などを考えていたと、きその特徴を整理してみようと思い立った。

まさに蛇足的考察である!


(第三部).

その九 20/06/21 虚・実


美の虚像(原題=美の虚象) 1966年(昭和41年)3月号
火の虚舟】 1966年(昭和41年)6月号〜1967年(昭和42年)8月号




果実のない森(原題=黄色い杜) 
1962年(昭和37年)9月号〜1963年(昭和38年)8月号


「虚」「実」の駆け引き...

「虚」は、なんだか意味不明。分かったようで分からない題である。
書かれた時期が面白い。
美の虚像】:短編(原題=美の虚象) は、「小説新潮」に1966年(昭和41年)3月号
火の虚舟】:長編は、「文藝春秋」に1966年(昭和41年)6月号〜1967年(昭和42年)8月号


時期をおかずに書いている。
ただ、二つの作品の間、3ヶ月間に以下の作品を手がけている。恐るべき作品量である。

美の虚像
(1966年3月)
二重葉脈
(1966年3月11日〜1967年4月17日)
 
【昭和史発掘】第十三話『スパイ”M”の謀略』
(1966年4月25日〜8月8日)
壁の青草
(原題=少年受刑者)
(1966年5月)
花衣
(改題=月光)
(1966年6月)
【古代史疑】
(1966年6月〜1967年3月)

三世紀の日本

大和か九州か(簡単な学説史)

私はこう考える

魏志の中の五行説

卑弥呼とはだれか

卑弥呼論

稲の戦い

「一大率」「女王国以北」

結語
火の虚舟
(1966年6月〜1967年8月)



「実」も、結局のところ「ない」のである。
いづれも、「○○の□□」のパターンである。と同時に「○○のない△△」のパターンだ。



2020年06月21日記