登場人物
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平沢貞通 |
テンペラ画家。帝銀事件の犯人とされ、94歳で獄中で死亡。横山大観の弟子、大観は後にそれを否定する。雅号は大暲(たいしょう) |
古志田警部補 |
捜査本部の名刺班主任。居木井(イキイ)為五郎がモデル。平沢を犯人と目星を付け厳しく追い求める。結果逮捕に至る。 |
松井蔚 |
マツイシゲル。実在の人物、本人が配った名刺には「厚生技官 医学博士 厚生省予防局」 の肩書き。容疑者の一人だったがアリバイがあった。
戦時中、南方軍防疫給水部(9420 部隊)に在籍 → 原住民多数を毒殺した疑い. |
風間龍 |
龍は、平沢の義弟(妻マサの実の弟)の風間龍。平沢は取調べ検事に龍の介添つきで告白させてくださいといい、自白することを匂わせている。 |
鎌田リヨ |
平沢貞通の愛人の一人とされている。鎌田りよ(判決書では鎌田リヨ)は、判決がくだる直前に手記『生命ある限り』を出版した。
手記で、愛人関係は認めているが、金銭的には世話になっていないという。 |
稲佐検事 |
高木一がモデル。検事で、平沢の取り調べに当たる。 |
仁科俊太郎 |
R新聞の論説委員。この小説では清張の身代わり的存在。 |
岡瀬隆吉 |
京都のホテルで偶然仁科俊太郎と会う。旧知の間柄である。警視庁の要職に就いていたが、今はある公団の理事をしている。
仁科との話の中で不用意に洩らした「あの時は、アンダースンがね...」の言葉に仁科俊太郎は突き動かされる。 |
アンダースン |
GHQの将校? 岡部隆吉のアンダースン評「ひどい奴ですよ。わが儘で、自分の言う通りにならなければ癇癪を起こして、すぐに日本政府の役人にピストルを見せびらかすんですからね。猛牛のように無知なんです」 |