松本清張_小説東京帝国大学

(原題=小説東京大学)

題名 小説東京帝国大学
読み ショウセツトウキョウテイコクダイガク
原題/改題/副題/備考 (原題=小説東京大学)
本の題名 松本清張全集 21 小説東京帝国大学・火の虚舟【蔵書No0102】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1973/4/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「サンデー毎日」
作品発表 年月日 1965年(昭和40年)6月号27日号〜1966年(昭和41年)10月23日号
コードNo 19650627-19661023
書き出し 明治三十五年十月のことである。私立哲学官では、二十五日から三十一日に亙って卒業試験が行われた。臨監として文部省から、視学官隈本有尚、同隈本繁吉、その他の属官が毎日同館に出向いていた。哲学官というのは、現在の東洋大学の前身で、当時本校の卒業生には文部省の中学校、師範学校教員の無試験検定認可の特典があった。倫理の試験問題の担当は、講師中島徳蔵だった。設問は「動機善にして悪なる行為ありや」というのである。生徒の提出した答案は中島が採点する。それを視学官が閲覧する。隈本有尚視学官は、その採点された答案の束をぱらぱらとめくっていたが、どうしても点のいいぶんに眼がはしる。そのうち、最高点をつけられた答案を一瞥して、彼の眼は光った。視学官は、その答案を引出して、もう一度熟読した。その答案内容は文部省が引揚げてしまったので、現在では伝わっていないが、おそらく次のような趣旨だったであろう。
作品分類 小説(長編) 339P×1000=339000
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