松本清張_日本の黒い霧 第四話 白鳥事件(改題)

(原題=北の疑惑−−白鳥事件)

題名 日本の黒い霧 第四話 白鳥事件
読み ニホンノクロイキリ ダイ04ワ シラトリジケン
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=日本の黒い霧
(原題=北の疑惑−−白鳥事件)
●全12話=全集(12話)
 1.下山総裁謀殺論(
下山国鉄総裁謀殺論
 2.運命の「もく星」号(
「もく星」号遭難事件
 3.謀略疑獄−−その氷山の一角(
二大疑獄事件
 4.北の疑惑−−白鳥事件白鳥事件
 5.諜報列島−−亡命ソ連人の謎(ラストヴォロフ事件
 6.
革命を売る男・伊藤律
 7.
征服者とダイヤモンド
 8.画家と毒薬と硝煙(
帝銀事件の謎
 9.白公館の秘密(
鹿地亘事件
10.
推理・松川事件
11.黒の追放と赤の烙印(
追放とレッド・パージ
12.謀略の遠近図(
謀略朝鮮戦争
なぜ「日本の黒い霧」を書いたか
本の題名 松本清張全集 30 日本の黒い霧【蔵書No0118】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通) 
初版&購入版.年月日 1972/02/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「文藝春秋」
作品発表 年月日 1960年(昭和35年)4月号
コードNo 19600400-00000000
書き出し 昭和二十七年一月二十一日の午後七時半ごろのことである。札幌市内を蔽った雪は、暮れたばかりの夜の中に黒く吸い込まれていた。南六条の西十六丁目辺りを二台の自転車が走っていたが、突然、銃声が聞こえると、その一台は雪の上に倒れた、もう一台の自転車はそのまま、三百メートルくらい進んで、やがて闇の中に消えた。折からラジオは「三つの歌」を放送していた。この通りは通行人が疎らで、凍てついた道の上を暗い街灯がぽつぽつとついているだけである。通行人の報せで、すぐに警察の車が走って来て、警官が撃たれた男を抱き起こして見て愕いた。その顔は札幌市中央警察署の警備課長白鳥一雄警部であった。血だらけの死体の横には、乗っていた自転車が横仆しになっていた。通行人は少なかったが、その出来事の直前に、走っている二台の自転車を目撃した者がないではなかった。その一人は北海道庁吏員で、彼は付近の郵便局の焼跡に差しかかったときは、すぐ右側を自転車の男が普通の速度で通り過ぎ、さらに、その自転車の後方大体十間ぐらいの間隔で、もう一台の自転車に乗った男が追い越して行くのを見たのである。
作品分類 ノンフィクション(短編/連作) 42P×1000=42000
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